山梨県の東寄り・東京都との境界まで5km前後。自然豊かな標高540〜780mの間に、小菅(こすげ)村という小さな村がある。
文・写真:中山修一
(バスマガジンWeb/ベストカーWeb内本文上とギャラリーに、山梨県の村を走る富士急バスの写真があります)
■東京から行ける山梨の村
令和6年4月現在のデータで小菅村の人口は619人。特産品を販売する道の駅や、村のランドマーク的な日帰り温泉施設が営業しているほか宿泊施設もあり、ちょっとした山の景色を愛でる旅の目的地として趣ある場所だ。
東京都の山奥・奥多摩から東京のバスで来られる山梨県の山奥の村という、少し風変わりなアクセス方法が、旅の楽しさに華を添えてくれる。
奥多摩から行く際は、土日祝は西東京バスの「奥12系統」で1時間。平日は西東京バスと、朝を除いて予約制の小菅村村営バスを乗り継いで向かえる。
では、東京都から公共交通機関で直通できるのは手段の一つに数えるとして、村が位置している山梨県内のアクセス事情はどうなっているだろう?
■富士急バスが繋ぐ県内バスルート
小菅村の5kmほど北に丹波山村という場所があり、そちらも東京のバスで来られる珍しい山梨県の村となっている。
丹波山村の場合、公共アクセスは奥多摩駅とを結ぶ西東京バスのみで他のバスはない。一方、小菅村のバス事情を見てみると、富士急バスが県内完結型の路線バスを運行している。
最寄りといえるのが、村を起点にほぼ真南へ直線距離で約16km下った、JR中央本線の大月駅になり、この大月駅と、村の温泉施設・小菅の湯との間を結ぶ路線が、小菅村への県内の主要アクセス手段といった位置付けだ。
■1日3本の小菅村メインライン
大月駅〜小菅の湯を結ぶ富士急バスの路線に路線名は特にないようで、時刻表を見ると方面で書かれていることが多い様子。通常は幅2.3m・全長9mクラスの中型路線車が使われている。
全区間およそ25.6kmの距離を1時間ぴったりで繋ぐダイヤで、大月発は平日3本、土日祝が2本。小菅の湯発は曜日共通で1日3本の設定。うち1往復分が大月駅前の少し先にある、大月中央病院前が始発/終点となっている。
2026年5月現在のダイヤを参考にすると
【大月発 平日】
・9:00、13:31、18:14(病院前始発)
【大月発 土日祝】
・9:00、13:25(病院前始発)
【小菅の湯発 曜日共通】
・7:06(病院前行)、10:15(大月駅行)、14:41(大月駅行)
……の要領だ。交通の線が細いのは確かなので、利用の際はあらかじめ便を狙っておくと安心。
■高低差400mのヤマの路線
バスは国道139号をメインルートに高低差400mほどを稼ぐ、なかなかのヤマの路線。山道の沿線には人造湖のふかしろ湖と深城ダムがあり、通過時には車窓から目が離せない、同路線の見どころの一つになっている。
また、途中でメインルートから外れて山梨県道505号を経由していくが、この505号がバスの通り道としては少々窮屈な印象。
道幅と車体サイズが全然合っていない所をものともせず突っ込んでいく、狭い所が好きな猫みたいな様は、路線バスに実は結構よく見られる経路設定といえるもので、このバス路線でも狭隘要素をガッチリ押さえてあり乗り味豊か。
大月市街〜小菅村との間をまっすぐ向かうのではなく、いったん中央本線の猿橋駅周辺に寄り道をしていくのが経路上の目立つ点。観光名所の「猿橋」の真隣を通るので、その瞬間もまた必見だ。
後乗り・前降りの後払い方式で運賃は全区間利用の場合1,270円。現金のほか交通系ICカードが使えて便利だ。








