【へっぽこバスガイドの珍道中】旅の記憶を紡ぐ“言の葉”とは? 心に残る案内を目指すのよっ!!

■どうせなら人を笑顔にする方に回ろうじゃないか!

枝葉が広がるように言葉で人を幸せにしたい
枝葉が広がるように言葉で人を幸せにしたい

 以前、富士山五合目へ向かうツアーを担当した時のことだ。その日は天候が悪く、道中はずっと霧に包まれていた。車窓からは肝心の富士山は見えず、お客様もどこか残念そうな雰囲気だった。それが目的なのだから当然だろう。しかし私は「見えないから仕方ない」で終わらせたくなかった。

 そこで、富士山のイラストを見せながら特徴を説明したり、富士山に関するクイズを出したりしながら、“見えなくても富士山を楽しめる時間”を作ろうとした。すると、五合目へ到着した頃、それまで雲に隠れていた富士山が少しずつ姿を見せ始めたのである。私は思わずマイクで、「富士山、お布団に入ってまだ寝ていたみたいですけど、五合目まで来たら顔を見せてくれましたね」と声をかけた。

 すると、お客様から笑いが起こり降車した際には「ガイドさんの案内も良かったし、こうして富士山が見られたのが何より嬉しかった」と声をかけていただいた。その時私は、言葉には“景色を変える力”があるのだと改めて感じたのである。マイクを通して届けた“言の葉”は、その日限りではなく、旅の思い出のどこかに残っていくのかもしれない。

 だからこそ私は、お客様だけではなく、一緒に働く仲間や周囲の人に対しても、発する言葉を大切にしていきたい。言葉は、人を傷つけることもできる。けれど同時に、誰かを笑顔にし、背中を押し、人生の一場面を温かく彩る力も持っている。であれば、後者に回ろうではないか。

 バスガイドとして私が届けたいのは、単なる観光案内ではない。その土地の空気や感動、人の温もりまで含めた「旅の記憶」である。だからこれからも私は、一つひとつの“言の葉”に責任と温度を込めながら、お客様の心にそっと残る案内を届け続けていきたい。

 そしていつか、「あの時の言葉が忘れられない」と思っていただける瞬間を、旅の中に咲かせるバスガイドでありたい。口から発せられるものだけではなく書かれたものも言葉だ。みなさんも人との会話やSNS上での言葉を相手が幸せになる方で使ってみませんか。そう決意を新たにしてバスに乗っているが、今日の運転士さんは笑ってくれるかな?まずはそこからスタートだ。

【画像ギャラリー】【へっぽこバスガイドの珍道中】旅の記憶を紡ぐ“言の葉”とは? 心に残る案内を目指すのよっ!!(4枚)画像ギャラリー

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

ハリアー現行型で終了か!? 「ベストカー 7月10日号発売!」

ハリアー現行型で終了か!? 「ベストカー 7月10日号発売!」

ベストカー 7.10号 定価 630円 (税込み)  ついこの間、華のゴールデンウィークが…