■駅前の様子から活路を見出す
乗ってきた列車を利用せず、うまく先へ進むには……そんな時は駅前の様子を観察して、もしバス停が置かれていれば光が差すかもしれない。
もちろん場所にもよるが、JR線の近隣主要駅などへ向かう路線バスが通っていることがある。その場合、思案する余地は大アリだ。
バスの運賃が別途必要になるものの、復路の移動にバスを選択すれば、オプション行動を達成しつつ、フリー切符で電車の旅を続けるという、ちょっと欲張りなプランも現実味を帯びる。
■実際ホントに可能なのか?
実際のところ、絵に描いたようにキレイな旅程を組めるのかどうか。JR西日本の古くから有名な盲腸線である小野田線本山支線を例に見てみよう。
本山支線は山口県の山陽小野田市にある。同市内の小野田線雀田駅から分岐して、およそ2.3kmの区間を約6分で結ぶ、支線・短距離・盲腸線と、今日では極めて珍しい条件が揃った路線だ。
存在自体が有名なのはもとより、雀田発で朝6時台に1本、7時台1本、18時台1本の1日3本という、極端すぎるダイヤ設定でも知られている。
本山支線が辿り着く終端が長門本山駅だ。線路の正面には県道354号線が横切り、さらにその200m先は海。正真正銘の終着駅になっている。
■駅前徒歩0分の好条件な物件!?
長門本山駅前のバス停状況はと言えば……これがすぐそばにある。名称は「本山駅」停留所で、船鉄バスが運行する路線バス・小野田線の停車ポイントだ。
このバス路線は、山陽小野田市の最南端にある本山岬公園と、宇部市の船木を結んでおり、本山駅は経路上の途中停留所になっている。
船木方面のバスに注目すると、JR山陽本線の小野田駅を経由するとあり、電車を見送ってからの復路としても利用できそうだ。
バスのほうは1時間に1〜2本出ており、長門本山駅周辺で少し長めに滞在するなら、バスの便を好きに選べるほどだ。
本山岬公園まで1.5kmくらいなので、徒歩で向かって現地を散策したのち、バスの小野田線の始発である「本山岬」停留所から、JR小野田駅方面へ向かう行程も無理なく組める。
本山支線の場合、状況次第でバスの並行利用は大いに効果が期待できる。バスと電車、双方を活用して旅を楽しみたいところだ。
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