神奈川県の民営バス事業者・神奈川中央交通が、2023年度より新しいカラーデザインの路線バス車両を導入する。デザイン変更は車両代替に合わせて、神奈中バスの全てのエリアで順次進められる。
文・写真:中山修一
取材協力:神奈川中央交通
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■74年ぶりのデザイン変更
神奈中バスといえば、赤と橙、黄色の3色を、横向きのラインで塗り分けた車体デザインでおなじみ。その歴史は非常に古いもので、1949年頃まで遡る。
よく目立つ独特の配色はまさに「神奈中カラー」と言えるほどだ。フェンダー周りや前面の塗り分け方を変えるなど、マイナーチェンジは過去に行われているが、基本の要素は同じまま現在まで続いている。
そして2023年秋、長きにわたって使われている神奈中バスのカラーデザインが、何と74年ぶりに刷新される!! との発表があった。
■大きく変わる神奈中カラー
神奈川中央交通によると、同社では、2030年を目標年度とする新たな長期ビジョン「Vision 2030 NEXT 神奈中」を、2023年度から掲げている。
「お客さまの『かけがえのない時間(とき)』と『ゆたかなくらし』の実現に貢献します。」を経営理念に置き、「Vision 2030」の一環として、乗合バス車両のカラーデザイン刷新が含まれている、とのことだ。
新しいカラーデザインは「調和(Harmony)」のテーマと、「人とまちをより良く結ぶバス」をコンセプトに、工業デザイナーの奥山清行氏が手がけている。
赤、橙、黄色の基本3色はそのままに、各色を縦方向に配して、赤→橙→黄色をグラデーション風に表現しているのが特徴だ。
現車を見ると、色合いは従来と異なり、新カラーでは赤の彩度が高く、橙も濃く鮮やかになり、一方で黄色は彩度を抑えたクリーム色に近いのが窺える。
■いつ、どのバスから変わる?
縦3色の新カラーは、2024年2月以降に予定している車両代替に合わせて、神奈中バスの全てのエリアで順次運行を始める予定だ。2023年度計画では合計36両が新カラーで登場する。
カラーデザインの変更は、新たに導入する大型・中型路線バス車両(三菱ふそう、日野、いすゞ製)が主な対象で、現時点で営業運転に使用されている車両は、そのままの塗装で活躍を続ける。
日野ポンチョなどの小型路線車も、コミュニティバス向け車両を除き、新規導入があれば新カラーになる予定とのことだ。
今後、路線バス車両のほとんどを、縦3色の新カラーに置き換えていく計画になっている。ただし、神奈中には現在1900台以上の車両が在籍しているため、年月をかけて少しずつ、新カラーが少数派から多数派へと軸足を移していく光景が見られそうだ。
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