■ちゃんとあります、トイレ休憩
松阪熊野線のハイブリッド車は専用仕様になっている。乗車時間が長いだけにハイバックシートや網ポケット、ドリンクホルダー、席によってはUSB電源が付いている。
それでも基本は通常の路線車であるため、さすがにトイレは付いていない。気になる休憩であるが、ちゃんとセッティングされている。
出発から1時間25分後の海山バスセンターと、2時間51分後の道の駅奥伊勢おおだいで、それぞれ15分停まる。
■観光から帰宅路線へ
始発を出た時点で通し利用は他にいないと決まったが、途中の区間利用は何度か入れ替わりがあった。松阪駅に近づくにつれ、秋なら辺りもスッカリ暗くなり帰宅時間帯にかかる。
職場や学校を出て松阪駅方面へ帰る人達が少しずつ増えて、観光色の強い路線から通勤通学路線へと雰囲気が変わった。
時刻表通りに行けば三交南紀〜松阪駅前の所要時間は4時間20分。しかし帰宅時間帯ということで、松阪駅の5kmほど手前から道路渋滞が発生。これに巻き込まれる形で、松阪駅前には17:40着のところを25分遅れの18:05に到着した。
運賃は2,700円。実は2回目の休憩地点だった、道の駅付近でこの金額に達する。どうやら2,700円が上限になっているようで、そこからまだ1時間以上乗り続けるが、以降運賃は変わらず、ちょっと得した気分になる。
Suicaなどの交通系ICカードが使える。乗る時は普通にタッチするが、降りる際にそのままタッチすると、システムの都合上エラーが出るとのことで、降りる際に始発から乗ったと申告する必要がある。
はじめ4時間は長いかな? と身構えたが、海から山へと変化に富む車窓の景色は時間を忘れるほど申し分なく、割とあっという間に終わってしまった印象。八木新宮線に負けじと劣らず、なかなかどうして乗りごたえ抜群の実力派であった。
この松阪熊野線は、熊野市〜新宮間の三重交通熊野新宮線と、新宮〜大和八木間の奈良交通八木新宮線を組み合わせての利用ができる。
ダイヤの都合で宿泊は必須ながら、高速道路を通らない路線バスだけで、紀伊半島およそ328kmをV字に繋ぐ旅も夢じゃない!?
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