1月は初詣の時期ということでパワースポットに行く機会が多いだろう。バスマガジンなので「すべてバスで!」と言いたいが、そうもいかないので、別の交通機関も駆使して出雲大社(いずもおおやしろ)を訪ねてみた。本稿ではバスと鉄道を比較して人気のサンライズ出雲に乗るまでを紹介する。
文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
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■時間の有効活用なら夜行一択?
首都圏から出雲大社に公共交通機関で行こうとすると、航空機、夜行バス、鉄道という選択肢になろうか。長期休暇中ではなく、通常の土日に1日程度の休みを取って行こうとすると、やはり夜行が時間を有効活用するには有利だ。
夜行バスは中国ジェイアールバスが東京ディズニーランド、東京駅から出雲市駅、出雲大社までダイレクトに結んでいる。車両はスカニア・バンホールのダブルデッカーで、1階席4列、2階席3列のシート配列だ。運賃は他と比較してバスが圧倒的に安い。
ダイヤは東京駅を2020に出発して、出雲大社に着くのが0842と金曜日の仕事終了後に十分に間に合う設定だ。ただし夜行バスなので、消灯後は仲間とおしゃべりするわけにも、お酒を飲んで楽しむわけにもいかない。純粋に夜間移動だけが目的になるだろうか。
■やはりサンライズ出雲は人気!
鉄道では新幹線で岡山乗り換え、伯備線の特急やくもで出雲市に向かうのがオーソドックスだが夜間移動はできない。そこで、今では日本で唯一の定期夜行列車になってしまった「サンライズ出雲」が人気で良い選択肢になりそうだ。
ダイヤは東京を2150発で出雲市に0958に到着する。バスよりも後ろにシフトしたダイヤだが、バスの所要11時間22分に対して、サンライズは12時間08分かかり、さらに出雲市駅から出雲大社までの移動時間を含めると乗車時間だけを見るとバスが有利だ。
しかしサンライズは基本的に個室なので、おしゃべりしようが酒を飲もうが、バカ騒ぎは迷惑としても、ある程度の自由は効く。現在では列車内で駅弁を食べるといった「旅情」を楽しむことができる列車は少ないので、個室のサンライズはその点では貴重な列車だ。
そしてサンライズにはシャワールームがあるので、仕事終わりに飛び乗っても列車内でシャワーを浴びることができるのは利点だ。ただし繁忙期のシャワーカード争奪戦は熾烈を極める。