路線バスを外から見ると、車体の前後や横にナゾの数字や記号が大抵見つかる。明記されている、ということは何らかの意味を持っていそうだが……横浜市営バスを例に探ってみた!
文・写真:中山修一
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■横浜市営バスの5つの数字
クリーム色を主体に、明るいブルーの線が入ったカラーリングで長年親しまれる横浜市営バス。他の民営/公営事業者と同様、横浜市営のバス車両にもパッと見ただけではよく分からないが、何やら意味深な数字が書かれている。
標準カラーでの基本的な掲示位置を見ると、車体の前後に小さく1箇所ずつに加え、左右側面に大きく2箇所ずつ。どの車両も「X-XXXX」の書式が共通して使われている。
それが「1-3312」であったり、「8-1876」であったりと、車両ごとに数字の組み合わせが異なり、固有の車番か何かだろう、というところまではイメージできる。
■ちゃんとある!? 数字に隠されたヒミツ
もう少し掘り下げていくと、それら数字の並びは、横浜市交通局が保有しているバス車両の、同事業者内での管理番号だと分かった。車番と呼んでも構わないハズだが、「局番」がよりフォーマルな表現らしい。
では、まず局番の1ケタ目に注目してみよう。やはりこの数字はちゃんと意味を持っており、そのバスが導入された年(バス車両の年式)を西暦で表したものだ。
ただしこの数字、西暦の下1ケタしか記さないのが普通。つまり2012年式の車両も2022年式の車両も、局番の1ケタ目は「2」になる。
そのため、局番の1ケタ目が2なら全て2012年式と断定してしまうのは早合点。12年式なのか22年式なのか白黒付けるには、合わせて車体の形状や各車種の発売年などを判別材料にする必要が出てくるため、ちょっと難しいかも。
なお、車両が2016年式でも、タイミングの関係から局番の1ケタ目に「5」が割り振られている場合もたまにあるため、そのバスが登場した大体の時期の目安だと思っておくのが良さそうだ。
■こんなことが分かる2ケタ目の数字
続いてハイフンの次に来る2ケタ目の数字に、どのような意味が隠されているかをリサーチしてみると、こちらにも法則性が見られた。
2023年5月現在、横浜市営バスで使用されている2ケタ目の数字は「1」・「2」・「3」・「4」・「6」の5種類。実はこれらの数字を見ると、バスのメーカーが分かるようになっているのだ。気になる内訳は……
・「1」:いすゞ
・「2」:三菱ふそう
・「3」:日野
・「4」:日産
・「6」:トヨタ
……となっている。例えば局番が「6-3XXX」なら、2006年か2016年式の日野製のバス車両、「0-1XXX」なら、2010年か2020年式のいすゞ製車両というところまで、数字のみから導き出せるわけだ。