今回は日本へやってくるクルーズ船のお話を。「何言ってんだ、ココはバスマガジンwebだぞ」と言われそうだが、バスマニアはさまざまな場面にアンテナを張っていなければならない。クルーズ船で到着した観光客は、その地の貸切バスに乗って観光地へ行く。クルーズ船の行くところにバスの影あり、なのである!!
(記事の内容は、2023年9月現在のものです)
執筆・写真/谷川一巳
※2023年9月発売《バスマガジンvol.121》『バスにまつわる愉快だけどマジな話』より
■クルーズ船乗客は貸切バスで港から近隣の各観光地へ出発
コロナ禍が収束し、訪日外国人観光客が戻ってきたが、コロナ禍中はピタッと停まっていたクルーズ船の日本寄港も2023年3月辺りから戻ってきた。
現在は日本近海には常に大勢の観光客を乗せたクルーズ船が動き回っている状態となった。なかには17万トンなどという巨大クルーズ船もある(ちなみに日本の「飛鳥II」は約5万トン)。
クルーズ船とは、出発港があって、さまざまな観光地に寄港し、出発した港へ戻ってくるもので、移動手段ではない。行く先々では下船して観光するのだが、その足となるのがその地域の観光バスである。
たとえば東京であれば、浅草など下町観光、お台場などの観光、箱根や富士山方面へ遠出する場合もあるが、船の出発までに戻ってくるのである。
横浜などでは、そういった観光バスとは別に、港から桜木町駅経由横浜駅行きの乗船客専用無料シャトルバスも横浜市営バスによって運行される。港に近いエリアを個人で観光する乗客のためである。
■日本人のクルーズ船旅行は少ない。お迎えするだけなのか!?
こうしたクルーズ船が横浜港などには毎日のように寄港している。2023年春時点では欧米人を乗せた船が大半であるが、今後は中国からの船も戻ってくるものと思われる。港にクルーズ船を見に行って思うのだが、乗客は基本的に外国人で、東京港では和太鼓などでの歓迎も行われる。
一方で日本人のクルーズ人口はいまだに少ない。クルーズ船の旅となると最低でも一週間の休みは必要で、一般的な日本人は経済的にも時間的にも余裕がないというのが現実か? 日本へやってくるクルーズ船の外国人乗客を歓迎するだけとは! 海外との経済格差は大きくなったなあと感じてしまうのである。
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