最近は絵も描く生成AI。こちらの思っている通りの一枚を描き上げてくれるのか、「バス」をお題に投げかけてみた。
文:中山修一
イラスト:Adobe Firefly
(画像付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBをご覧ください)
■老舗メーカーの生成AIを試してみる
色々なところで生成AIのサービスを提供している中、今回は、出力した画像の商用利用ができる、クリエティブ系アプリの老舗・アドビの画像生成AI「Adobe Firefly」を、どうせサブスク契約に含まれているし、とばかりに起用した。
寄稿先が『バスマガジンWEB』ということで、お題は当然バスに関するもの。まずはごくシンプルに「バス」とだけ入力して生成ボタンを押してみた。
魚のバスのほうだと判断されるかな? などと予想している数秒の間に画像が生成された。記事の転載サイトによっては画像がカットされてしまう場合があるので、実際の作例はバスマガジンWEBのギャラリー欄を参照いただききたい。
「バス」がお題の画像候補に現れたのは、2,000〜3,000m級の山々を背景に高層ビルが林立、流れの緩い広めの川と、アジア風の屋根を乗せた建物が手前に並ぶ、街路樹の紅葉がまぶしい秋の風景画であった。
どのあたりにバスの要素を感じ取り、コレを描いたのかはAIのみぞ知る、といったところだ。そこはかとなく不気味なタッチもまた“今の”AIらしさを放つ。
■より細かく発注すると?
キーワードが「バス」のみで生成する際、「プロンプトが短すぎます」との注意書きが出た。もっと具体的に言ってあげないと、うまく理解してくれないようだ。
では「路線バス」と入れれば車両くらい描いてくれるだろうと考えて入力。するとどうでしょう、マッターホルン的な山をバックに、ラーメン屋の屋台のような木造の小屋が、舗装道路の片側車線のド真ん中に堂々設置されている様子の絵が出てきた……どうすればこうなる?
諦めずに「バス 自動車」と入れて投げてみることに。ここではバスの外観ではなく、物凄く背もたれが分厚いロングシートが通路を挟んで並び、運転席(最後部?)との仕切り部分にホワイトボードのようなものが掛けられた、車内の様子をつぶさに表現した一枚が生まれた。
■ピンポイントな指定で再チャレンジ
少なくともバス車両を登場させてもらいたい。特定の場所などシチュエーションを注文内容に加えれば行けるかも知れない。「渋谷の交差点を走る路線バス」でどうだ!?
象徴的な横断歩道のゼブラを手前に据え、にょきにょき生えた高層建築と、奥のほうに広がるセンター街(?)の灯り。ペデストリアンデッキの2階部分にはクレーンのようなものが立っており、年がら年中工事をしている渋谷の雰囲気を何となく表現している。
肝心のバスは車両が描かれた。銀色を主体に赤線の入った角目2灯の大型路線車で、後輪部分はカバーで覆われて見えない(と思われる)タイプ。屋根上の機器が分厚いのでハイブリッド車かもしれない。
どう見てもバスが横断歩道上を通過中なのであるが、スクランブル交差点を象徴するかのように描かれた大勢の人々は、バスなんぞに目もくれず道を渡りまくっている。AIの世界では轢かれても文句を言う人が居ないのだろう。