中古車販売大手ビッグモーター(以下BM)が、保険会社へ修理費用を水増し請求し、損害保険代理店契約の解除につながった大きな事件が2023年に起きた。今回は、BMと保険契約を結んでいた消費者はどうなったのか、契約者の行方を追うとともに、大事に備えるための知識を提供していきたい。
文/佐々木亘、写真/Adobe Stock(トップ画像= ELUTAS@Adobe Stock)
【画像ギャラリー】保険代理店契約が無くなった!? 契約していた人はどうなるの??(4枚)画像ギャラリー■飽和状態の保険代理店だからこそいつ閉まってもおかしくない
BMには、自賠責保険と任意保険を合わせて約41万件の保険契約があった。現在BMは損害保険の代理店ではないため、この契約全ての引き受けができなくなっている。
ただ、こうした事由かどうかは別にして、保険代理店が閉鎖するということは珍しくは無い。
保険代理店とは、特定の損害保険会社や生命保険会社から委託を受け、保険に関する業務を継続的に行う事業者のことを指す。代理店には、募集人資格を有する者が必要で、無資格で保険代理店を営むことはできない仕組みだ。
日本損害保険協会による2022年度の損害保険代理店数および募集従事者数は、損害保険代理店数15万6152店、募集従業者数184万5354人と結構な規模であることがわかる。
保険代理店や募集人の数は既に飽和状態であり、保険代理店は年々減少しているのが実情だ。保険代理店を閉めるケースは、今後も増えていくと予想される。いつ訪れるかもわからないその時へ向けて、十分に備えておくべきだ。
■代理店閉鎖で契約者が取るべき行動は?
一般的に保険代理店が閉鎖する場合、前もって契約者へ通知が行われる。通知を受けた上で、他の代理店を自力で探すか、保険会社から紹介された別代理店で契約するか、またはネット保険へ切り替えるかの3つの選択肢から、選ぶことになるのだ。
BMでの任意保険加入者数は約15万人といわれている。これだけの契約者が一斉に任意保険の加入先を失ったのだから、混乱は必至であろう。
自分で選ぶのが難しいという場合には、元締めの保険会社から紹介された代理店で契約自体は済ませておき、保険の適用期間を十分に確保してから、乗換え先などを探してほしい。
まずは保険を保険として機能させることが、べき。こうした事態に直面した際、最優先にやっておくべきことだ。
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