■新型アウトランダーとの共通項は?
なお、この初代エアトレック、実は海外では「アウトランダー」名義で販売されており、今回新型エアトレックが発表された中国でも「アウトランダー」として販売されていた。
そのため、「エアトレック」という車名を聞いても、ほとんどの中国のユーザーは、日本でいうところの初代モデルを思い浮かべることはない。中国では、「エアトレック」という車名のブランド価値は皆無なのである。
ただ、エアトレックとアウトランダーの関係性を考えてから改めて発表されたデザインを見てみると、今年2月に発表された新型アウトランダー(北米仕様)に似ているように思えなくもない。
エアトレックは中国市場専売のEVとアナウンスされているが、このエアトレックとパワートレインを共有したアウトランダーEVが、中国以外の市場で登場する可能性もゼロではなさそうな気がするが果たして……。
■中国において「エア」に込められる思い
ちなみに三菱が解説する初代エアトレックの車名の由来には、“「自由に冒険的な旅をする」という「Air」+「Trek」の造語”という記載があり、今回発表された新型エアトレックの車名の由来についても、“自由に冒険をするという意味を込めたSUV”とプレスリリースに書かれていた。
ではなぜ、広汽三菱はこの新型電気自動車にエアトレックという名前を付けたのだろうか? そもそも中国でもすでにアウトランダーが販売されており、「アウトランダーEV」では新型車としてのパンチが弱いという理由もあるかもしれないが、大気汚染の深刻化が叫ばれている中国では、「Air」という言葉の重みがより強いと判断されたのではないだろうか。
世界的には電気自動車であることをアピールするために「e」という記号を付けるケースが多いが、中国にとってEVとは大気汚染をしない車両というイメージが湧きやすいかもしれない。そんな理由で、三菱の消滅モデルリストの中から、「エアトレック」という車名が拾い出されたと想像する。
何はともあれ中国の大気汚染が少しでも減少し、一日も早く自由に冒険的な旅ができるようになってもらいたいものである。
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