北海道留萌市在住の写真家・佐藤圭さんが撮った貴重な動物、風景写真をお届けする週末連載。
第24回は、雪の妖精と呼ばれるかわいらしい野鳥・シマエナガが子育てをしているの貴重な画像です。
シマエナガは、人には見つけにくいところに巣を作るので、子育てをしている様子やヒナの姿を撮影することはとても難しいそうです。
写真・文/佐藤圭
【画像ギャラリー】まるで工芸品のような巣から顔を出すかわいいヒナたち
雪の妖精は天才建築家でもあるんです!
今年は、とても貴重なシマエナガの子育ての様子を観察することができました。
通常、シマエナガは木の枝が込んだ場所に巣を作るため、観察は容易ではありません。こんな開けた場所に巣を作るのは珍しいんです。
開けた場所にあるということは天敵に見つかり壊されてしまう確率が高くなります。それなのに、このシマエナガは巣立ちするまでヒナを成長させることができました。その理由は、シマエナガの巣作りの習性にあります。
シマエナガの巣材は他の野鳥の羽や苔などで、それを集めてきた蜘蛛の巣の粘着力で繋ぎ合わせ、お弁当箱のような巣を樹上の木の股に作ります。
苔を上手く張り付けて、まるで木の一部のように同化させていて、一見しただけでは、まず気づかない精巧さです。この工芸品のような巣で、カラスやヘビ、イイズナなどの天敵に気が付かれるのを防ぐんです。
入り口は上部の側面にあり、そこから出入りして、ヒナにエサを与えます。
抱卵の期間が2週間、卵から孵化したヒナが巣立つまで2週間です。小鳥の成長はものすごく早いです。早く大きくならないと、天敵に見つかって襲われてしまうからでしょう。
両親が一生懸命に給餌しますが、なんと育児ヘルパーさんも存在し、この巣では4羽で給餌していました。親戚か、去年生まれた兄弟かもしれません。シマエナガに聞いてみたいですね。
鳴き声は、ジュルジュル、チリリンと鈴のようです。
両親がボロボロになりながら必死に子育てをしている姿に、涙が出そうになるくらい感動しました。
佐藤 圭 kei satou
1979年、北海道留萌市生まれ。動物写真家。SLASH写真事務所代表。MILLETアドバイザー。
日本一の夕陽と称される留萌市黄金岬の夕陽を撮影するために写真家の道に入る。北海道道北の自然風景と野生動物を中心に撮影を続け、各地で写真展を開催し、企業や雑誌、新聞などに写真を提供している。
2018年、エゾナキウサギの写真「貯食に大忙し」で第35回『日本の自然』写真コンテスト(主催:朝日新聞社、全日本写真連盟、森林文化協会)で最優秀賞受賞。
ウェブサイト:https://www.keisato-wildlife.com/
Facebook:https://facebook.com/kei.sato.1612
コメント
コメントの使い方貴重でもないけどね🤣