全国のトラックドライバーの日本一を決める大会をご存知だろうか? 全日本トラック協会が主催する「全国トラックドライバー・コンテスト」がそれである。
同コンテストは内閣府、国交省、警視庁など後援を得て、トラックドライバーの運転技術・知識向上を目的に1969年から毎年開催(2020年の第52回大会は折からのコロナ禍により中止)されてきた歴史ある大会だ。
では、どんなことを競うのか? 今年の10月23日から24日にかけ茨城県ひたちなか市の自動車安全運転センターで開催された第53回大会の様子とともにご紹介しよう。
文/フルロード編集部
写真/フルロード編集部&全日本トラック協会
■全国選りすぐりのプロドライバーが競うトラックドライバー・コンテスト
トラックドライバー・コンテストは都道府県予選と全国大会が開催される。各都道府県の予選を勝ち抜いた選手が全国大会へと進めるわけだが、第53回となる今年の全国大会は、コロナ禍で参加者は減少したものの総勢108名が参加した。
ちなみに平時には、都道府県予選は総勢約1400〜1500名、全国大会には約150名が参加する大規模な大会である。
全国選りすぐりのプロドライバーたちは、4トン部門、11トン部門、トレーラ部門、女性部門の4部門にわかれ、学科競技と部門別に用意されたトラックを使用する実科競技によって競う。
なお女性部門の実科競技だけは2トン車(ダブルキャブ)も用意されているが、4トン、11トン、トレーラのどれを選んでもいいことになっている。
■バックスラローム走行からS字バックで車庫入れ!
超難関の課題競技の内容は?
2日間に及ぶ競技の構成は、初日に学科競技と実科競技である日常(タイヤ)点検・簡易コース走行・課題走行。2日目は法規走行・課題走行という内容だ。
簡易コース走行と法規走行は市街地を模したコース走行する競技で、こちらは予選を勝ち抜いたプロドライバーならばそこまでむずかしくはない(ハズ)。
いっぽう課題走行は持ち時間内(部門によって異なる)に課題をこなす競技。初日の課題は、各競技車両の車幅+左右20cmほどの間隔で設置されたパイロンの間を走行する隘路走行と、等間隔で配置されたパイロンの間をジグザグに進むスラローム走行が行なわれる。
2日目の課題はバックスラローム走行から続けざまに行なうS字バック(クランク状にバックする)での車庫入れ。この車庫入れが終わると車両後方と側面が車庫からどのくらい離れているかも計測され、距離に応じて減点される。
といった内容で、とくに2日目の課題は現役プロドライバーにおいても一朝一夕にはこなせないむずかしい課題。全国大会といえども、パイロンに接触する選手や持ち時間オーバーとなるケースも出てくるのだ。
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