「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の違いは?
飲酒運転には「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の2種類があり、酒気帯び運転とされるのは、呼気(吐き出す息)1リッター中のアルコール濃度が0.15mg以上検出された状態、または血液1mL中に0.3mg以上が検出された場合だ。
また、まっすぐに歩けない、受け答えが正常にできないなど、客観的に見て、明らかに酔っている状態の場合は、呼気中アルコールの濃度にかかわらず酒酔い運転と判断される。
飲酒検問で呼気検査に引っ掛かり、「酒を飲んでから時間が経っている」と主張したり、その場での警官とのやり取りに問題がなかったとしても、呼気内のアルコール濃度が基準値を超えていたら罰則を免れることはできない。
呼気中アルコールは、酒が強いからといっても体内にアルコールが残っていれば検出される。「酒が強いから少し飲んでも問題はない」なんてことはないのだ。
アルコールはどのくらいの時間、体内に残る?
では、飲酒後どのくらいの時間をおけば体内からアルコールはなくなるのだろうか?
飲むアルコールの量や体格、体質、性別、年齢、体調などによりアルコールが体内に吸収されたり、代謝に要する時間は異なる。ただし、酒に含まれる純アルコール量を知っていれば、飲んだ酒の影響や分解時間などがある程度は推測できる。
人が1時間で分解できる純アルコール量は以下の計算式で大雑把ではあるが導くことが可能だ。
体重(kg)×0.1=1時間で分解できる純アルコール量
例えば、体重60kgの人であれば、1時間で分解できる純アルコール量は6g、体重40kgの人であれば4gということになる。
上記の式で自分の1時間で分解できる純アルコール量を算出し、下記の表の純アルコール換算を参照すれば、おおよそのアルコールの分解時間を推定することが可能だ。
ただし、算出した数値はあくまでも目安で、アルコール代謝力が低い体質だったり、体調が悪かったり、疲れがたまっていたりするとアルコールが残る時間は長くなることは留意してほしい。
ちなみに、厚生労働省は、缶ビールやチューハイなどに含まれるアルコールについて容器にグラム単位でも表示するよう業界に求めたことで、飲んだアルコール量が把握しやすくなってきている。自宅で飲むような場合は、容器に記載されたアルコール量を確認する習慣をつけよう。
二日酔い、深酒の翌日でも酒気帯び運転で検挙される!?
警視庁の調べでは、飲酒運転のうち酒気帯びの占める割合は7割。検挙された人のなかには、仮眠をとったため大丈夫だと思ったと弁解する人も多いという。
また、二日酔いの状態でもアルコールは検出されることがある。そのため、翌日に運転する予定があれば、飲酒時間、飲酒量には注意をし、飲酒量が多かったり、深酒をしてしまった翌朝には体内にアルコールが残っている可能性があるので、運転は控えよう。
通勤などでクルマを毎日使用しているような人は、アルコールチェッカーを購入して、飲酒をした翌日に測定することをお薦めする。アルコールチェッカーは、1000円から4000円程度で市販されている。ただし、あまりに安いものは精度が低い場合もあるので安すぎるものは避けたほうがいいだろう。
アルコールチェッカーの難点は、お酒を飲んでいなくても反応してしまうものがあるというところ。特に反応することが多いのは、マウスウォッシュ(ノンアルコールタイプのものもあり)、アルコール消毒液、入れ歯安定剤、栄養ドリンク、酒種あんパン、ガム(メントール、ハッカ臭の香料が入ったもの)、発酵食品、歯磨き粉だ。
他に、アルコール入りのお菓子、甘酒などの酒粕を使った食品もアルコール反応が出る可能性があるので、運転前に食べることは控えよう。
コメント
コメントの使い方