先日、新聞誌上では「スカイライン開発中止、日産の象徴開発に幕」という衝撃のニュースが掲載されたものの、その翌週には日産の星野朝子副社長がその報道を否定。スカイラインファンはひとまずホッと胸をなでおろした。
そのいっぽうで、クラウンもセダンは15代目をもって姿を消し、クラウンの名を冠したSUVのみの生産となるといった噂も……。
このように、メーカーの顔と言っても過言ではない伝統のあるブランド消滅の噂が後を絶たない状況となっている。
今回は、名を変えて名門の系譜を引き継いだものの、期待に応えることができず、最終的にはその系譜に終止符を打ってしまった、悲しきクルマにフォーカスしていきたい。
文/藤原鉄二、写真/トヨタ、日産、FavCars.com
【画像ギャラリー】無念! 長い歴史に終止符が打たれた名門ブランド(30枚)画像ギャラリーマークII(1968年~2004年)→マークX(2004年~2019年)
2019年12月23日にトヨタのマークXの生産が終了した。マークIIの系譜を受け継ぐマークXの消滅は衝撃的だった。
マークIIはハイソカーブームの牽引役となったトヨタの誇るトップブランドのひとつ。その歴史は1968年までさかのぼる。当時、大衆車という位置づけだった初代カローラと、高級セダンのクラウンとの中間の層をターゲットに開発されたのがマークIIだ。
マークIIの全盛期は1980年代後半~1990年代。その後のバブル崩壊以降、FRセダンの市場は徐々に縮小し、2004年11月に生産終了の決断が下された。
しかし! マークIIはマークXと名を変えて復活。デビュー直後は、数少ないFRレイアウトを採用した「新世代のスポーツセダン」という打ち出し方や、テレビCMに俳優の佐藤浩市さんを起用するなどが功を奏して、セールスも好調。発売から1カ月で月間目標販売台数5000台に対し2万2000台を受注するほどの人気となった。しかし、その人気も長くは続かず……。
2009年10月にはフルモデルチェンジが実施され、マークIIのスポーティグレード、ツアラーシリーズに相当するSports typeなども設定され、スポーツセダンユーザーにアピール。月販目標台数3000台の4倍を超える約1万4000台と、好調な立ち上がりを見せたものの、その勢いも尻すぼみとなっていった。
追い打ちをかけるように、ミニバンやSUV人気の高まりでセダンの市場の縮小傾向には拍車がかかり、加えて、レクサスブランドのなかに競合車種も存在したことにより、マークXの存在意義に疑問の声も聞こえるようになった。
ついには、フルモデルチェンジから10年という長きに渡りフルモデルチェンジが行われなかったこともあり、マークX消滅の噂も飛び交う始末。
そして2019年、マークXは車種整理の対象となり、マークIIから通算して51年の歴史に幕を下ろすこととなった。マークXを含むマークIIシリーズ合計の販売台数は、51年間で688万1500台。これはとてつもない数字だ。
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