ガソリンモデル廃止はエクストレイルが要因!? 差別化でブランディング
しかし、日本向けのアウトランダーにガソリンエンジン車が設定されないのはそれだけが理由ではない可能性がある。
新型アウトランダーはプラットフォームを一新したと書いたが、それはルノー日産三菱アライアンスの共通のモノであり、日産主導で開発されている。当然、同プラットフォームを使う日産車の存在しており、すでに北米ではローグとして販売されている。
北米のローグといえば、日本ではエクストレイルとして販売されてきたSUVモデルである。半導体不足などの影響による販売計画の調整により、日本仕様の発売は遅れているようだが、いずれにしてもアウトランダーと共通プラットフォームのエクストレイルが日産から登場することは既定路線だ。
日本向けのエクストレイルがe-POWER(シリーズハイブリッド)だけになるのか、ガソリンエンジン車も用意するのか、現時点でははっきりしたことはいえないが、わざわざアライアンスにおいて商品性や価格帯をかぶらせる必要はない。むしろ、しっかりと差別化してマーケットの共喰いをしないで済むようにすることがアライアンスの存在意義であり、意味といえる。
その意味では、アウトランダーはPHEVに絞って、プラグイン(外部充電)で走るSUVというキャラクターを際立たせることがアライアンス全体においてはプラスになると考えたとしても理解できる。
ブランドイメージ復活のカギはアウトランダーにアリ!?
なお、アウトランダーPHEVの価格帯は462万1100円~532万700円。全グレードでCEV補助金は55万円が期待できるため最廉価グレードでは車両価格が400万円ちょっとになる。これは下手なEV(電気自動車)よりも安価な価格設定となっている。
ましてプラグインハイブリッドは、EVと異なりバッテリーが電欠したときにはガソリンを給油すれば、何百kmでもノンストップで走ることができる(アウトランダーPHEVの燃料タンクは56L)。そう考えると、現時点でのインフラと環境対応としてはプラグインハイブリッドを選ぶのは最適解といえる。ゼロエミッションやカーボンニュートラルを“気にしている”ユーザーにとって、ちょうどいい選択肢となるのだ。
アウトランダーPHEVの好調な販売は、このような社会ニーズに合致した部分も無視できないだろう。改めていうが、ガソリンエンジン車をなくしてプラグインハイブリッドに絞ったことでわかりやすくなったことがアウトランダーのブランド価値を高めている。
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