賛否両論あったけれど…パトカーマニアには僥倖だった!! 「国葬儀」の警備は百花繚乱パトカー観察記

車列の警護には警衛用オープンカーが使われる予定だった?

 安倍元総理の車列の警護で使用されたのはパトカーやレクサスLS600h警護車、そしてエルグランド警護車などが車列の警護警備に従事した。レクサスは普段から総理の警護などにも用いられる車両だが、エルグランド警護車は総理の関東近県での選挙遊説の際や、ローマ法王来日時の警護警備に従事していたのが確認されている。普段はSPのアシとして使用される、あまり実戦には出てこない珍しい車両である。今回は一度にSPが複数名乗車できる利便性から車列に組み込まれたようだ。

エルグランド警護車が車列警護の任務に当たることは珍しい。一度に複数のSPが乗車できるのが特徴だ。グリル内にLED赤色警光灯がビルトインされ、ルーフには反転式警光灯を装備する
エルグランド警護車が車列警護の任務に当たることは珍しい。一度に複数のSPが乗車できるのが特徴だ。グリル内にLED赤色警光灯がビルトインされ、ルーフには反転式警光灯を装備する

 このような儀式の警護警備となると、警視庁が保有する警衛用(儀礼用)オープンカーという、文字通りオープンカーの警察車両を活用するのが一般的であるが、今回の国葬儀では出番がなかった。

 先述した橋本元総理、宮澤元総理の葬儀の際は警衛用オープンカーが車列の警護警備にあたっており、この当時はキャデラックフリートウッドのオープンカーが車列の警護に当たっていた。

 今回、27日の本番までの1週間ほど前から警視庁本庁舎周辺などで複数車種のオープンカーの目撃情報があった。この日のために準備をしていたのか、まったくの別件だったのか定かではない。結局、警衛用オープンカーが使われることはなかった。

全国から警護部隊や機動隊なども集結!! パトマニアは熱い視線

 国葬儀の2週間ほど前の9月15日には、来日する外国要人を警護するために全国から警護部隊が警察車両を持ち込んで都内入りした。北は北海道から南は熊本まで総勢26道府県警察の警護担当者らが日夜、空港やホテル、迎賓館や武道館などを往復し、経路の確認などを行った。

皇居前の拠点に集結した全国各地の警察車両。警護車やパトカーが所狭しと並ぶ。岩手県警のパトカーが見える
皇居前の拠点に集結した全国各地の警察車両。警護車やパトカーが所狭しと並ぶ。岩手県警のパトカーが見える

 派遣された警護担当者に話を伺うことができたが、「即位の礼や2020東京大会の派遣などで経験もあるが、常に情報をアップデートし、どこであっても万全を期すため、交通量のチェックや何度も同じルートを走行し徹底的に体に叩き込む。失敗は許されない」とのことだった。

 この派遣に伴い、ツイッターなどでは「首都高に〇〇県警のパトカーがなんでいるの!?」と言ったような目撃情報が連日目立つようになった。また、皇居付近に設けられた警察の拠点には全国のパトカーや警護車が集結、その日にもよるが30台以上のパトカーが駐車し打ち合わせなどを行っていた。このため、パトカーマニアなどが連日熱心にカメラにその様子を収めていた。

 また、国葬儀の数日前からは関東圏の警察本部の交通部隊が都内入りし、主要箇所の交通規制の応援に従事した。さらに、新潟、長野、千葉、神奈川、愛知などの機動隊も同じく都内入りし、デモ隊の対応や安倍元総理の車列が通過する際の主要箇所での警備などを行った。

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