昨年末から自動車業界を騒がせているダイハツの認証取得による不正問題。現在はダイハツ車すべてが出荷停止となり、その中には“公道最速”と言われたトヨタのプロボックスも含まれていた。今回は何故プロボックスが出荷停止になったのか、その真相に迫っていこう。
文/小鮒康一、写真/TOYOTA
※トヨタ プロボックス/マツダ ファミリア バンは2024年2月12日から生産を再開すると発表されています(編集部註)。
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今回の不正に関与した車種は非常に多く、グランマックス3兄弟のように他メーカーへのOEM供給をしていたものも少なくなく、トヨタやマツダ、スバルと言った供給先のメーカーの車両も同じように出荷停止となっている。
そんな中、ダイハツでは販売していないプロボックス/ファミリアバンもリストに含まれていたことに驚いた人もいるかもしれないが、実はプロボックスは開発段階からダイハツとトヨタで共同開発しており、生産はダイハツが担当。
そのため認証取得の作業もダイハツが行い、そのときに不正が行われたというワケなのだ。
■見ない日はないほど多くの人に愛されているプロボックスは今後どうなってしまうのか?
プロボックスと言えば質実剛健なビジネスバンとして、その耐久性や使い勝手が良さで高い評価を集めており、日本で役目を終えた中古車が海を渡ってまだまだ活躍しているほか、近年ではそのギア感に着目し、カスタマイズのベースとしても人気を集めているモデルだ。
それだけに今回のような不正によって出荷停止となるのは非常に痛手(ただし1月19日付で出荷停止の指示は解除となっている)と言えるだろう。
トヨタは、プロボックスの前身であるカローラ/スプリンターのバンモデルの時代からダイハツと共同開発を行ってきており、ビジネスバンの開発ノウハウはトヨタだけのものではなくなっているのだ。
またプロボックスのマイナーチェンジでインテリアが大幅に変更され、紙パックタイプのドリンクも置けるドリンクホルダーやビジネスバッグを置けるセンターコンソールなど、限られたスペースを有効活用するアイデアは、軽自動車でダイハツが培ったものが遺憾なく発揮されているのである。
そう考えると簡単に次期モデルをトヨタオンリーで開発したほうがいいとも言いづらく、非常に難しい問題と言えるだろう。
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