通院や帰省など、ペットと一緒にクルマで移動することがあるだろう。そこで、ペット同乗時に実践してほしい運転方法を解説していく。ペットごとの特性に合わせたポイントを理解し、実践してほしい。
文:佐々木亘╱写真:adobe stock╱アイキャッチ:adobe@buritora
■第一に守るのは確実に運転操作ができること
法律上、クルマに乗っているペットは「モノ」として扱われる。
どのような乗せ方(積み方)をしても、基本的に罰則は無いのだが、大前提としてドライバーが運転に集中できる環境を作れていることが問われることを覚えておこう。
同乗するペットのことは気になるが、まずは運転が一番大切だ。
例えば、助手席に乗せているワンちゃんが、いつ飛びかかってくるかわからない状態は、常に安全運転ができる状態とは言えない。
ワンちゃんがクルマの窓から顔を覗かせる様子は、たびたび目にするが、隣にはワンちゃんの動きを制御できる人が必ず乗っていて欲しいものだ。
運転しながら膝の上にペットを乗せて走るのは言語道断。とても危険なので、絶対にやめていただきたい。
万が一クルマが衝突した場合、シートベルトをしていないペットは、車外へ投げ出される可能性もある。
安全運転とペットの安全を確保するなら、しっかりとしたケージに入ってもらい、ケージごとクルマに固定する。これが一番望ましいペット乗車のカタチだ。
■ワンちゃんは車酔いに注意!猫ちゃんはクルマに乗るのがキライかも
犬は比較的抵抗感なくクルマに乗ってくれることが多い。
対して猫は縄張り意識が強く、クルマの中を異質な場所と感じてストレスになることが多いだろう。
クルマでの移動は必要な時だけにして、しっかりとケージに入れた状態で、周りが見えないように毛布などをかけてから、車に乗せると良い。
車酔いは、人間同様に犬猫も起こすことがある。
犬の場合はクルマの揺れやストレスから、猫の場合はクルマの臭いで車酔いを起こすことが多い。
対策としては、急の付く運転をしないこと、スピードを出した運転は避けること、定期的に車内の換気をすること、いつもより多く休憩を取ることなどが挙げられる。
特に大切なのは、乗っているペットに「これからどう動くか」を予測させることだ。
曲がる時には、初期の操舵を小さくして遠心力が少しずつ大きくなるように曲がっていくこと。
発進・停止では、クルマの前後の動き(ピッチング)を小さくするために、ペダルの踏力は徐々に増やしていくことを心掛けたい。
踏んでいたペダルを突然離すとピッチングが起きやすくなる。
また、切っていたハンドルを突然戻すと遠心力が安定せず、クルマが不安定になってしまう。
ペダル操作もハンドル操作も「徐々に足していく」と意識すると良い。急な力の引き算は、同乗者にもペットにも、乗り心地の悪い運転になってしまう。
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