ここ数年でマツダは大きくブランドイメージが変わったと言われることが多いが、その大きな理由は魂動デザインとスカイアクティブテクノロジーだ。この2つを全面的に取り入れたのが初代CX-5な訳だが、現在のマツダブランドイメージを造っている魂動デザインとスカイアクティブテクノロジーについて簡単に振り返ってみよう。
文:西川昇吾╱写真:マツダ、ベストカー編集部
■魂動デザインって何!?
まず魂動デザインからだ。
このデザインにマツダは2010年から取り組んでいる。正確には「魂動(こどう)-SOUL of MOTION」というデザイン哲学が掲げられている。
その姿が世に初めて出たのは2010年のロサンゼルスオートショーだ。靭(しなり)というコンセプトカーを出展し魂動デザインの方向性を示した。
見る人の魂を揺さぶる、心ときめかせる動きを魂動と呼び、このデザイン哲学となった。
魂動デザインは進化しつづけ、デザインに対する表現は様々な記事で見かけることができるが、マツダの発表や表現の中で最も印象的なのが「引き算の美学」だ。
要素をそぎ落としてシンプルなフォルムと研ぎ澄まされた繊細な光でクルマに命を吹き込むことに挑戦するのが魂動デザインの一つのテーマなのだが、複雑になりがちな現代のクルマの中でも「引き算の美学」を意識しているのがマツダのデザインが評価されている一つの大きな理由ではないだろうか。
そしてそんな魂動デザインを身にまとった初の市販モデルCX-5は2011年8月にフランクフルトモーターショーで初公開された。
その後、魂動デザインは高評価を受けマツダの顔となった。
2020年にMAZDA3が「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞していることからも、魂動デザインは世界的に高い評価を受けていることが分かる。
■スカイアクティブテクノロジー
そしてスカイアクティブテクノロジーだ。
こちらも発表されたのは2010年だ。
トランスミッションやシャシー、ボディなどに「スカイアクティブテクノロジー」の名が冠されたが、当時の発表の中で最も注目度が高かったのがエンジンだ。
14.0という世界初の高圧縮比を実現し、燃焼効率を大幅に高めていて世界を驚かせた。
その後魂動デザインと同じくCX-5で全面的にスカイアクティブテクノロジーが採用され、スカイアクティブテクノロジー採用車は徐々にラインアップを広げていった。
それはエンジンだけではなく、高い剛性のボディやダイレクト感のある効率的なトランスミッション、正確なハンドリングと快適な乗り心地を実現した軽量なシャシーなど多岐に渡る。
ここからマツダの走りへの評価も変わり、走りの良いクルマというブランドイメージもついてきた。
マツダのブランドイメージを象徴しているクルマと言えばロードスターかもしれないが、マツダ車を仕事で借りるときは大柄なSUVでもワクワクする。
それは同クラスの他メーカーのクルマに比べて走りの期待値が高いからだ。
スカイアクティブテクノロジーのブランドイメージが成功した結果と言えるだろう。今後このブランドイメージを生かしてどのような発展があるのか楽しみだ。
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