『頭文字D』名勝負列伝07 プロレーサーと拓海がいざ勝負!! ハチロク対シビックR編


【バトル考察】

 いざ、バトルは横並びでスタートするも、第一コーナーはハチロクが奪取。それを見ていた東堂塾長は、「トモユキは本気でアクセルふみきってたかどうかあやしい」と、その自信に揺るぎなし!

 ここで、「このコースは4つのセクションにわかれている」と東堂塾の酒井による解説が入る。第1セクションはセンターラインのない狭い区間、第2セクションはコース幅がありラインの自由度がある、第3セクションはきついダウンヒルで4連ヘアピンを備える、橋を渡ると第4セクションできつい上り。この4つのセクションを往復してゴール。ありがとう酒井くん!

 第1、第2セクションでは様子見をしている舘。レーシングスーツを着てバトルに臨むほどマジッぽさを感じさせておきながら、後方からハチロクに対してダメ出し(笑)。結論、「バカバカしい、これ以上は時間の無駄」ということで、第3セクションでついに仕掛ける。

 4連ヘアピンで、「ドン」と横に並ばれ、あっけないくらいにズバッといかれた。理由は「消えるライン」。ここで、実はバトルをこっそり見ていた(笑)、エンペラーの須藤によれば、前走者の視界から見えなくなるライン、それはつまりミラーの死角をついて最短距離をカットするラインのこと。「サーキットでも使われる高等技術」なのだそう。

 そのまま第4セクションに入るも、ハチロクは離されずにシビックについていく。ストレートの速いFDとのバトルを想定していたため、シビックは低速コーナーでギア比が合っていないためだ。そして拓海も、抜かれてから集中力が増してきている。ここで折り返し地点。スピンターンする2台の描写がシビれる!

 拓海は考えた。抜けない。どうやっても抜けない。それなら、さっき抜かれた時みたく、相手の視界から消えてみよう。なんと、ここでハチロクはヘッドライトを消灯! 暗闇に姿を消すと、スッとシビックの横に並び、そのまま前に出た。なんとも画期的。舘も「ストリートでしか使えない奇想天外な忍者戦法!」と驚きまくりだ。

「一度抜かれたクルマに峠で抜き返されたのは初めて」と、ついに舘が本気に。第4セクションを抜け、第3セクションへ。ヘアピン4つめでハチロクにボディを当て、姿勢が乱れたところをブチ抜くのだった。館曰く「レースではよくあること」。ぐぬぬ。

 せっかく追い抜いたのにすぐ抜き返されるという、クロスカウンターを食らった拓海は、「まるでブ厚い鉄のカベ」とちょっと泣きそうに。そしてゆるい下りの第2セクション。路面がバンピーなため、スタビリティの高さで有利なシビックが、ハチロクを一気に引き離しにかかる!

 ここで何を思ったか、先ほどと同じ忍者戦法(?)をとるハチロク。しかし、今回は消灯時間が長い。先行車(シビック)のヘッドライトをたよりに、真っ暗な峠道を走り続ける。そんな常軌を逸したパフォーマンスに、館が初めて拓海のことを脅威に感じる。刹那、舘はスペースを与えないライン取りに変更する。あとはタイトでツイスティな第1セクションのみ。もう追い抜きポイントはないのだ!

 ゴールまであとコーナー3つ。しかし、タイトな右の立ち上がりで、なぜかシビックがブレーキをふみ、ガードレールへ寄った!? ハチロクはここで横に並ぶと、最終コーナー手前でヘッドライトを点灯! うおぉ、読んでいるほうも、ページをめくる手が止まらないぃぃぃ! 最終コーナーを抜けると、なんとコースは上り勾配!! 舘の「ついてねえときゃ…こんなもんか…」のセリフとともに、勝負あり。

 日頃はトゥーシャイシャイボーイの拓海が、最後のブレーキの理由について舘に尋ねると、イタチか何かが「道路を横切った」のだという。ヘッドライトを消していたハチロクには見えなかったのだ。「勝利の女神を感動させる何かが今日のお前にはあった」と吐き捨て、ナイスガイ舘は去ってゆく。

 バトルを勝利するには、強い意志と弛まぬ努力はもちろん、ほんのちょっとの幸運が必要だった。ヘッドライトの消灯と幸運。これこそ、先の見えない時代を生き抜くためのヒントである(←なんのこっちゃ)。

 そして、名勝負に花を添えたのが、バトル後、「プロジェクトD」のウェブサイトに今回のバトルが公開されなかったこと。レーシングドライバーとしての舘の立場を涼介が思いやったのだった。ハートウォーミング!

■【バトル丸ごと掲載】(第244~246話)

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