フランスが世界をリードした時代 坂道発進が苦手 S600クーペの思い出【復刻・徳大寺有恒「俺と疾れ!!」】

■LEDとデザインの関係

LEDライトはコンパクトカーや軽自動車にも多く採用されているが、デザインの本質はLEDライトの採用不採用に関わるものではない。いち早くLEDライトを採用したアウディはしっかりと消化している例といえるだろう
LEDライトはコンパクトカーや軽自動車にも多く採用されているが、デザインの本質はLEDライトの採用不採用に関わるものではない。いち早くLEDライトを採用したアウディはしっかりと消化している例といえるだろう

(「最近クルマヘッドライトやリアランプにLEDが欠かせなくなってきたが、LEDで作るクルマの表情は後々飽きがきてしまうのではないか」という声に)

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 カーデザインの基本はあくまでも全体のバランスです。LEDがどうこうというのは、ディテールの話でそれに頼るデザインでは飽きられてもしかたありません。

 おっしゃるようにアウディやレクサスはLEDを使いますが、決してLEDに頼っているのではないと思います。これからは機能性を含めてLEDの採用が必須なのかもしれません。

 本来デザインというものは、自然光の下、少し離れてクルマの全体を見れば、いいデザインかそうでないかがわかります。

 これまで日本のデザイナーはどうしても全体のバランスを作るのが上手ではありませんでしたが、デザイン力が重視される昨今、変わってくるように期待したいですね。

■シトロエンアミが好き

アミは2CVの上級モデルとして1961年に発売された大衆車で矩形ヘッドライトとクリフカットのキャビンを採用したユニークなモデル。写真は空冷水平対向2気筒600ccのアミ6だが、後にアミ8、アミスーパーが追加された
アミは2CVの上級モデルとして1961年に発売された大衆車で矩形ヘッドライトとクリフカットのキャビンを採用したユニークなモデル。写真は空冷水平対向2気筒600ccのアミ6だが、後にアミ8、アミスーパーが追加された

(シトロエンのアミが好きだという読者の方からの、現代にアミが復活したら……と思うと楽しくなる、最近、再びシトロエンに乗ろうかなと思い始めている、との声に)

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 シトローエンのアミはパリにいた友人が乗っていました。シトローエンのアミとルノーのキャトルはどちらもフランス的なクルマです。いっぽうでシトローエンの2CVにしてもDSにしても、その独創性に世界中のメーカーが驚いたクルマでした。

 特にシトローエンのDSはシャシこそ古いものを使っていますが、ハイドロニューマチックサスペンションやセミオートマのトランスミッションなど、それこそシトローエンの粋を集めたようなクルマです。

 ぜひ一度DSにお乗りください。1975年まで生産され、廉価版にIDというモデルもありました。私もチャンスがあれば毎日乗りたいと思います。今でも古さを感じさせないDSに! 

DSは1955年に発表されたFFの大型サルーン。油圧でサスペンションを制御するハイドロニューマチックを採用したことで有名。1955年のパリサロンで発表された当日に1万2000台あまりの予約が入ったという逸話を残す
DSは1955年に発表されたFFの大型サルーン。油圧でサスペンションを制御するハイドロニューマチックを採用したことで有名。1955年のパリサロンで発表された当日に1万2000台あまりの予約が入ったという逸話を残す

■車内での喫煙マナー

(徳大寺さんは車内でもタバコを吸われるのですか? 自動車とタバコはいい時間をくれるものだとずっと思ってきたが、最近は灰皿のないクルマも多く寂しくなった。徳大寺さんはどう思われますか? という質問に)

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 もちろん、自分のクルマではパイプをやります。他人のクルマに乗せてもらう場合は、断ってからやりますが、これは礼儀の問題でしょう。

 私の場合はパイプなのでタバコよりも香りが強いので、相手によっては考えます。オープンでもクローズドでも相手のことを考えて、やることにしています。

 メーカーが開く試乗会にはタバコをやれるクルマとそうでないクルマがあります。これも大切なことでしょう。とにかく礼儀を重んじることが大人にとって大切だと思っています。

次ページは : ■S600クーペの印象

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