4つのタイヤすべてに駆動力を与える4WDは、オフロード走行において大きな武器になる。では、このシステムは舗装路でも有効なのか? そしてなぜ4WDスポーツカーの数は少ないのかを考えていこう。
文/長谷川 敦、写真/スバル、トヨタ、日産
【画像ギャラリー】写真でもっと解説!! 4WDスポーツってどこがいい? どこが悪い?(17枚)画像ギャラリー■どうして4WDは悪路に強いのか?
4WD(4輪駆動)といえば悪路走行に欠かせないシステムとして知られているが、その理由は以下の点にある。
まずはすべてのタイヤに駆動力(=前進する力)が加わっているため、凹凸の多い悪路でも、4輪のうちどれか1輪が路面に接していればクルマを前に進められるということ。
これは窪みにはまってしまった場合の脱出だけでなく、通常の悪路走行でもメリットになるのはいうまでもない。
クルマには駆動力がかかっているほうが安定しやすいといった特性があり、オフロードでの運転は4WDが圧倒的にラク。
さらに現代の4WDカーでは、電子制御によって状況に応じて各輪への駆動力を配分したりデフをロックしたりなど、悪路の走破性を高める機構が数多く搭載されている。
【画像ギャラリー】写真でもっと解説!! 4WDスポーツってどこがいい? どこが悪い?(17枚)画像ギャラリー■オンロード走行における4WDのメリット
では、平坦な舗装路を走る場合において4WDにメリットはあるのだろうか?
結論からいえばそれはある。
実際に4WDを採用したR32型日産 スカイラインがオンロードサーキットでのレースに導入された際に、ファンはもちろんトップドライバーですらオンロードにおける4WDの優位性に疑問を抱いた。
しかしその疑問はR32が走り出すとすぐに払拭された。
R32は並みいる強豪2WDマシンを相手に圧倒的な速さを披露したのだ。
これでオンロード、しかも通常路面よりもグリップの高いサーキットでも4WDに優位性があることが証明され、以降は規定で許されているのであれば、オンロードレースカーでも4WDを採用するのが定石になった。
レースカーとの速度の差はあるが、アスファルト舗装された一般道でも4WDは2WDに比べて安定したトラクションを確保することができる。
さらに曲がりくねった山道であればその傾向は顕著になり、4WDでのスポーツ走行は、まるで自身の運転テクニックが向上したかのような楽しさを感じられる。
同時にもし限界を超えてタイヤがスリップしてしまった場合でも、4WDのトラクションを生かして立て直すことは可能だ。
つまり4WDのメリットは多く、特に動力がハイパワーであればあるほどオンロードでの優位性が高まる。
【画像ギャラリー】写真でもっと解説!! 4WDスポーツってどこがいい? どこが悪い?(17枚)画像ギャラリー■4WDモデルのデメリットは?
すべてのものに良い点があれば悪い点もあり、それはクルマも例外ではない。
ここからは4WDのデメリットを考えていきたい。
最初に考えられるのが、2WDに比べて部品点数が多いことによる車体価格の上昇だ。
4WDと2WDのどちらも用意されている車種では、ほとんどの場合4WDのほうが、車体価格が高く設定されている。
次にあげるデメリットは、これもまた部品点数の多さによる車重の増加だ。
クルマの重さは燃費に大きく影響し、当然ながら重いクルマの燃費は軽いクルマより悪くなり、これがランニングコストにも響いてくる。
さらに複雑な構造は整備性の悪さも招き、メンテナンスコストも高くなってしまう。
このように、単純なコストを考慮すると4WDの旗色は悪くなる。
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コメント
コメントの使い方リアの駆動力を勝たせられるAWDは本当に楽しいです。高速から低速サーキット、または広場や雪上氷上まで、全ての場で最高に遊べるのも他にない長所。
ただ私の友人にもWRXやめてFFやFRに乗り換えた人はいます。彼らの理由は一律で、遊ぶには金が掛かり過ぎるから。
所有して普段使いするだけなら差は余り無いですが、使って遊ぶとなると維持費は三倍とか普通に掛かります。