ホンダ日産統合で激変? ガチのライバル[アキュラ]と[インフィニティ]の未来はどうなる?

■新規参入が続くプレミアム市場

プレミアム市場には新規参入が続く。こちらは韓国ジェネシスのGV80
プレミアム市場には新規参入が続く。こちらは韓国ジェネシスのGV80

 このようにして始まったアキュラ、レクサス、インフィニティだったが、商品としての実態は事業開始の初期は、ほとんどのモデルがホンダ、トヨタ、日産の既存モデルの改良に留まった。

 そのベンチマークとなったのは、ドイツ勢だ。メルセデス・ベンツ(当時はダイムラー)の「C」、「E」、「S」クラスと、BMWの「3」、「5」、「7」を後追いするイメージだ。アメリカのメディアでも、こうした商品軸で日独プレミアムの比較試乗を取り上げることが少なくなかった。

 その後、90年代後半から2000年代にかけて、北米市場でSUVシェアが一気に拡大し、プレミアムブランドでも収益性の高いSUVに、デトロイト3(当時のビック3)やドイツ以外の欧州系、さらに韓国系が参戦するという図式になっていく。

 そこに、SUVとセダンのクロスオーバーにもモデル展開が派生し、各プレミアムブランドのモデルラインアップが増えていったのだ。

 さらに、超プレミアム系が参戦して来る。2000年代のポルシェ「カイエン」を皮切りに、2010年代に入るとベントレー、ロールスロイス、ランボルギーニ、さらに2020年代にはフェラーリと、プレミアムSUV(クロスオーバー)の超高級化が加速した。

■抜本的なブランド改革が必要

インフィニティのモデル群。ホンダ日産の統合が有益であることを願う!
インフィニティのモデル群。ホンダ日産の統合が有益であることを願う!

 こうした従来型の自動車ブランドの進化とは別領域として、大きな存在となったのがテスラだ。2010年代半ばの「モデルS」「モデルX」で日系プレミアムからユーザーが流れ、さらに「モデル3」「モデルY」の登場で一気に潮目が変わった。

 そのほか、世界最大の自動車大国となった中国では、政府主導のEV事業拡大路線の中、プレミアムEVブランドが乱立し、生き残りをかけた熾烈な戦いを繰り広げているところだ。

 このように、アキュラとインフィニティが誕生した80年代後半から90年代に比べて、現在のプレミアムブランド市場は様変わりしていることが分かる。その上で、アキュラとインフィニティ、抜本的なブランド構造改革が必要なのだ。

「渡りに船」とまでは言わないが、ホンダと日産の経営統合は、アキュラとインフィニティそれぞれにとって有益なものになることが予想される。

【画像ギャラリー】スカイラインにインテグラ! 日本でも出してほしいアキュラ&インフィニティのクルマをチェック!!(21枚)画像ギャラリー

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