ホンダ日産統合で激変? ガチのライバル[アキュラ]と[インフィニティ]の未来はどうなる?

ホンダ日産統合で激変? ガチのライバル[アキュラ]と[インフィニティ]の未来はどうなる?

 ホンダと日産の統合にはいろいろと不明点がつきまとう。その一つが両社のプレミアムブランドの存在だ。ガチのライバルであるアキュラとインフィニティの未来はいったいどうなるのか? 今ある情報をもとに2社の行方を予想してみた!!!

文:桃田健史/写真:Acura、Infiniti

【画像ギャラリー】スカイラインにインテグラ! 日本でも出してほしいアキュラ&インフィニティのクルマをチェック!!(21枚)画像ギャラリー

■不透明感が漂うアキュラとインフィニティの未来

次期スカイラインとも言われるインフィニティのビジョンQe。このクルマも統合の余波を受けるのか?
次期スカイラインとも言われるインフィニティのビジョンQe。このクルマも統合の余波を受けるのか?

「ホンダと日産が経営統合へ」。年末になって大きなニュースが飛び込んできた。報道が先行して、その後にホンダと日産が「検討の可能性はないとは言えない」といったニュアンスで報道を否定しない、といった状況になる。(本稿執筆時点)。

 両社は3月、「自動車の電動化・知能化時代に向けた戦略的パートナーシップの検討」を開始したと発表した。これまで、次世代技術や一部車種の相互補完など、さまざまな分野での協業についてワーキングチームを作って協議してきたというが、その詳細は開示されていない。

 そうした中、日産は上期決算で経営不振が明らかになり、グローバルでの人員削減が大きなニュースとなった。一方、ホンダは直近で、次世代e:HEV(ハイブリッドシステム)の事業・技術説明会を報道陣向けに開催したばかりだった。

 そんなタイミングでのサプライズとなった、ホンダ・日産、さらに三菱自動車を巻き込む経営統合の報道。これにより、気になるのがプレミアムブランドであるアキュラとインフィニティのあり方だ。

 日本には未導入のアキュラとインフィニティだが、北米市場を中心にグローバルで人気が高い。それぞれが、ホンダと日産と車体やパワートレインを共有化しており、ホンダ・日産の経営統合の影響をもろに受けることになる。

 ただし、グローバル市場におけるプレミアムブランドの状況を鑑みると、現時点ではアキュラもインフィニティも「将来に向けた出口が見い出せない…」といった状況にあるように思える。特に、レクサスが将来事業計画としてEVシフトを大きく打ち出している中で、アキュラやインフィニティの未来に対して、ユーザーや販売店から見ると「先行き不透明」という印象がある。

【画像ギャラリー】スカイラインにインテグラ! 日本でも出してほしいアキュラ&インフィニティのクルマをチェック!!(21枚)画像ギャラリー

■アキュラが先行した日系プレミアムブランドの歴史

アキュラは日系プレミアムブランドの先駆けとして1986年に北米で事業を開始した
アキュラは日系プレミアムブランドの先駆けとして1986年に北米で事業を開始した

 ここで改めて、日系プレミアムブランドの歴史を簡単に振り返りたい。

 先行したのはアキュラだった。ホンダは北米市場において、ホンダブランド全体の「半歩上」にアキュラを位置付けた。ホンダブランド全体の上位に位置するのではなく、ホンダ本来の商品性に上質さとスポーティさを盛り込んだ、「半歩上」というイメージで、その筆頭が「インテグラ」だった。

 こうしたホンダの動きに対して警戒感を持った、北米トヨタのアメリカ人幹部らが、トヨタ本社にトヨタ版プレミアムブランド創設の必要性を粘り強く説明したという経緯がある。

 当時、筆者はホンダ、トヨタ、日産が北米事業の拠点としていたカリフォルニア州ロサンゼルス周辺で3社の関係者と意見交換する機会が多かった。そうした中で、トヨタのアメリカ人関係者は「(トヨタ本社は)大きな岩のようで最初はびくともしなかったが、一度動き出すとその速度は急速に増した」という表現を使っていたことを思い出す。

 こうしたアキュラ、レクサスの動きと並行するかのうように、日産もインフィニティ新設を協議したものと考えられる。

次ページは : ■新規参入が続くプレミアム市場

PR:かんたん5分! 自動車保険を今すぐ見積もり ≫

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

JMS2025に出なかった大物たちの行方は?最新の注目車対決10番勝負『ベストカー12.26号発売!』

JMS2025に出なかった大物たちの行方は?最新の注目車対決10番勝負『ベストカー12.26号発売!』

ベストカー12.26号 価格590円 (税込み)  あの「ジャパンモビリティショー2025…