国沢光宏氏はこう見る「重要なのは円ドル為替」
トランプ政権が日本の自動車産業に与える最も大きな影響といえば『為替』しかありません。マエトラの時の為替レートを見ると、1ドル=105円前後で推移していた。直近は150円を超える40%以上の円高だ。
100万円で作ったクルマをアメリカに輸出すると、マエトラ時代105万円に対し現在150万円になるため日本車メーカーウハウハです。
こうなると「ライバルに対する競争力を付けるため原価120万円のクルマを100万円で輸出しよう!」ということになる。
アメリカでの販価は150万円で同じ。日本に入ってくる金額はマエトラの5万円を大きく超え、30万円の利益をキチンと出せる。アメリカのユーザーからすれば高品質のクルマが安く買える。マツダのラージプラットフォームなど、そんなビジネスです。
実際、直近の為替想定レートを見ると、各社145〜150円。第2次トランプ政権で為替をマエトラと同じ円高に持って行かれたら、日本の自動車産業は激震に襲われる。
ちなみに「関税を20%にされたらタイヘンだ」という声もある。こいつも厳しいが、ホンダなどは日本からの輸出をしていないため関税上げられたって困らない。トヨタも輸出比率高いけれど、それほど困らない。スバルは輸出比率大きいものの、半分近くはアメリカ生産。
一番タイヘンなのがマツダで、ラージは全数日本からの輸出。マツダの販売台数の3分の1を占める小型車はメキシコ工場製。メーカーによって「困る度」は違う。やはり重要なのは為替です!
(TEXT/国沢光宏)
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