道路の中央部分にはオレンジのセンターライン(実線、破線)が引かれているのはご存じの通り。これ以外に緑の線があるのを知っていましたか? さらに青線、赤線があるが、何の意味があるのだろうか?
文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、首都高速、NEXCO東日本、一般社団法人 全国道路標識・標示業東京都協会、Adobe Stock、写真AC
■高速道路を走っていると緑色の車線が出現! どんな意味があるの?
関越道東松山IC付近を走行中、一番左側に見慣れない緑の車線を発見。一瞬、何を意味しているか不安になったが、道路左側に2つ看板が設置してあり、「渋滞予防のため、緑色車線をキープ」と書かれていた。
この緑色の車線は、NEXCO東日本では「車線キープグリーンライン」と呼び、無理な車線変更や追い越し車線への車両集中を防ぎ、渋滞や事故の抑制を目的に2021年7月から設置されたそうだ。
ではこの車線キープグリーンラインをはみ出して右へ移動した場合は違反になるのか? オレンジ線とは違い、法令上規定はなく、違反にはならない。
確かに渋滞は多くの場合、追い越し車線から発生している。交通量が多くなってくると、早く先に行きたいというドライバーの心理として我先にと追い越し車線に行きがちだ。だから、「車線キープグリーンライン」によってキープレフトを促すことで、追い越し車線や走行車線への集中を防ぎ、渋滞予防の効果があるというわけだ。
また緑車線は、ワイヤーロープ式防護柵との接触事故を防ぐための車両誘導線として設置されているところもある。さらに、住宅街や狭い道路、通学路などでは歩行者保護を目的とした、歩道エリアが緑色になる「グリーンベルト」のほか、スクールゾーンを知らせるため道路全体が緑色になっている場合がある。
■青も赤のラインもある
緑色車線はあまり見たことがないという人でも、赤色や青色(というよりは水色)の車線や全面塗装された道路を見たことはあるはず。赤色は、オレンジや白と同じような車線というよりは、信号機のない交差点やバス停、カーブ区間では速度を落として走行するように注意喚起という意味合いで道路全面に赤く塗装されている。
これ以外にも赤い枠が引かれている場合もある。急カーブの手前、バス停、交差点の駐停車禁止エリア、信号のない横断歩道など危険な場所を赤い枠で囲むことで注意喚起を促す役割がある。
一方、青色塗装は高速道路や一般道に引かれている場合、行先をわかりやすく案内する誘導する際に使われている。例えば首都高大橋JCT内では、赤は直進方向、中央環状線外回り、4号新宿線下り、5号池袋線下り、東北道方面。青は左分岐方向、中央環状線内回り湾岸線方面と色分けして迷走しないように分かりやすく案内している。
一般道の路側帯では、最近、急速に増えてきた、青色塗装されている自転車のピクトグラムと矢羽根型または矢印で示されている「自転車ナビマーク・自転車ナビライン」がある。
緑、赤、青の車線、カラー塗装道路に遭遇したら、それぞれ意味があるので注視して走行してほしい。
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