ロッキー&ライズどれを買う? 【サイズ感抜群! 売れないわけがない!!!】

■グレードの選び方には大切なポイントあり

 さてグレードの選び方だが、まず駆動方式は、ご自分の用途に応じて決めればよい。しかし基本的には4WDを推奨する。ロッキー&ライズは最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)に185mmの余裕を持たせ、前後のオーバーハング(ホイールからボディが前後に張り出した部分)も切り詰めて、悪路走破力を高めたからだ。

 分類上は前輪駆動ベースの4WDを備えるシティ派SUVだが、悪路の走破も視野に入れて開発した。クルマの性格は、RAV4やエクストレイルに近く、駆動方式も4WDが相応しい。

ダイハツが独自に開発した、前後にアクティブでトルク制御を行う「ダイナミックトルクコントロール4WD」を搭載。WLTCモードで燃費は2WDが23.4km/L、4WDが21.2km/Lとなっている

 そこで推奨グレードも4WDとする。価格を抑えるなら、ロッキー4WD・X(208万6700円)&ライズ4WD・G(213万3700円)がいいだろう。両車ともスマートアシスト、7インチTFTカラー液晶ディスプレイ、16インチアルミホイールなどを標準装着した。ロッキー4WD・L&ライズ4WD・X・Sに比べて14~15万円の上乗せだが、差額に見合う装備が加わる。

 予算に余裕があるなら、ロッキー4WD・G(222万4200円)&ライズ4WD・Z(228万2200円)に上級化する。両車ともに全車速追従機能付きクルーズコントロールと車線の中央を走れるように操舵を支援するレーンキープコントロール、LEDフォグランプやリヤフォグランプなどを加え、アルミホイールも17インチに拡大される。価格の上乗せは13~15万円だから、これも妥当な設定だ。

 そしてオプションでは、ブラインドスポットモニターとリヤクロストラフィックアラートのセット(両車ともに6万6000円)を必ず装着しておきたい。

 ロッキーでは、前述のプレミアムも用意した(4WD:242万2200円)。4WD・Gに比べて19万8000円高いが、ソフトレザー調シート表皮、LEDフットイルミネーションなどが加わり、ブラインドスポットモニターとリヤクロストラフィックアラートのセットオプションも標準装着した。

 このセットオプションの標準化を差し引くと、実質13万2000円で内装が上級化される。安全装備のセットオプションは必ず付けたい装備だから、内装が気に入ったらプレミアムを選ぶとよい。

駐車場内での後進時に、死角から接近する車両などを検知して警告する「
リヤクロストラフィックアラート 」。ロッキー プレミアムにのみ標準装備される

 ロッキーとライズの価格を比べると、先に述べたとおりライズが若干高い。この価格差には、メーカーや販売会社が受け取る利益の差額と併せて、販売促進などに使われる営業費用の差額も含まれている。OEM車の価格は、基本的には供給を受けた側が自由に決められるから、トヨタの各種コストがダイハツを上まわると考えられる。

 装備と価格は、車種によってはOEM車とベース車で共通化している場合もある。ロッキーとライズは、装備と価格の組み合わせを変えて、両車の割安感の違いを分かりにくくしている。注意してチェックすればロッキーXとライズG、ロッキーGとライズZが共通性の多いグレードだと分かるが、最初に見た時は分かりにくく、比べるのが面倒になってしまう。

 機能や装備と価格のバランスでは、ロッキーが少し割安だが、値引き、残価設定ローンの残価率、ローン金利などは販売会社によって異なる。ローンを使う時は、条件の似通ったグレード同士で見積りを取り(今はメーカーのウェブサイト上のオンライン見積りでも計算できる)、比較検討するとよい。

 また購入後5年以内に売却するなら、ロッキーとライズで査定額の違いも相応に生じる。従来の流れから考えると、トヨタブランドのライズが有利だ。販売台数が多く(1か月の販売目標はライズが4100台/ロッキーは2000台)、ユーザーが中古車を検索する時も、ライズの車名を挙げる頻度が高まるからだ。中古車として売りやすければ、業者は高値で買い取ることが可能になる。

 最もデザインの違いもあり、ボディカラーのコンパーノレッドはロッキー専用、ターコイズブルーはライズ専用だ。ロッキーのプレミアムも含めて相違点も相応にあるから、まずは商品同士を細かく比べたい。

 この2車種からは、ダイハツとトヨタの販売戦略の違いも推察される。ダイハツの場合、トヨタからOEM車として供給を受けるアルティス(カムリ)とメビウス(プリウスα)を除くと、ロッキーが最上級車種だ。そのために軽自動車からロッキーに上級移行するユーザーも多い。

 今の軽自動車は質感を高めたから、そこからさらに上級移行を促すなら、かなり上質に造り込まねばならない。そこでプレミアムを用意して、シートは生地を上級化させ、縁取りもパイピングからステッチ(縫い目)に変更した。

 一方のライズは、ヴァンガードや先代RAV4といった従来型のSUV、あるいはヴォクシー系3姉妹車のようなミニバンからの乗り替えが中心だ。価格の安さが重視されたり、レンタカーの需要も考えられるから、価格が170万円以下の2WD・Xも用意した。

 ただしスマートアシストは必須装備だから、購入するならX・S以上にすべきだ。売却した後に中古車で買ったユーザーの事故を防ぐためにも、安全装備の充実した仕様を選んでいただきたい。これはロッキー&ライズに限らず、今のクルマ選び全般に当てはまることだ。

ライズは、トヨタの現行車のなかで唯一の5ナンバーサイズSUVとなる。サイズとしては、C-HRに対して全長が390mm(C-HR 4385mm)、全幅が100mm(C-HR 1795mm)短く、ひとまわり小さい。全高は70mm、最低地上高も30mm ライズのほうが 高い

【画像ギャラリー】購入時にライバルとなるモデルとエクステリア&インパネを比較

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