かつて日本全国の県警で存在したスポーツカータイプのパトカー。R32スカイラインGT-RやRX-7など高性能な車種が採用され活躍した。今回紹介するGTOパトカーも、その代表格の1つだ。かつては、栃木県警、茨城県警、兵庫県警などさまざまな県警の高速隊で活躍したが、現存するのは愛知県警と新潟県警のわずか2台。そんなレア車2台が、愛知県警の視閲式で共演というサプライズ! なぜそのようなコラボが実現したのか。当日の模様とともにレポートする。
文・写真/有村拓真
■超レアなGTOパトカーが2台同時登場!
2025年1月8日の愛知県警察年頭視閲式。会場のバンテリンドームナゴヤ駐車場に、やたらと目を引くパトカー軍団が登場した。そうGTOパトカーほか、かつて第一線で活躍した高性能パトカーたち4台だ。
まずは愛知県警のGTOパトカー。かつては高速隊で活躍し、現在は広報課に移籍している。次はギャランVR-4。こちらも導入当初は高速隊で活躍、現在は足助警察署交通課に所属だ。さらに今も高速隊に所属するBLレガシィパトカー、そして新潟県警のGTOパトカーである。
いまでこそ第一線からは遠ざかっているものの、これらのパトカーは導入当時、高速II型という枠で導入された特別なパトカーで、いずれも高速隊で活躍することが期待されたパトカーだった。
そもそもいずれのパトカーも比較的珍しい存在なのに、導入から年数も経って、ますます希少な存在に。そんなレアなパトカーが揃うのだから、パトカーファンにとっては垂涎のチャンス。事前に愛知県警の公式Xにて「新潟県警GTO参加」の情報をキャッチしたパトカーマニアたちが、この日のために全国から集結したのであった。
■県警をまたいだ夢の共演はなぜ実現したか
今回の件、実は愛知県警の広報課担当者のアツい想いから実現に至った。「全国に2台だけの生き残りであるGTOパトカーをなんとかコラボさせたい」と。大変な折衝を重ねたという担当者。無事に借りられる運びとなり、24年年末に積載車で新潟まで引き取りに行き、雪の関越道などをひたすら走り、無事に愛知へと到着したのだという。
GTOは90年代の導入当時、岡崎工場で生産されており、思いもよらぬ形で里帰りした格好だ。
視閲式会場での撮影は大変な盛況ぶりだった。視閲行事終了後に行われた車両の展示では、その移動のために、会場内を縦一列のフォーメーションから横一列に並んで走行するなどサービス満点。展示場所でも並ぶ位置などが調整され、大変な人だかりとなった。
広報担当者は「このような活動を通じて警察活動への関心、理解への一助となっていただければと思います。また、警察官を目指す方へのきっかけにもなって欲しい」と語った。
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