2021年6月に発表されたブガッティ トゥールビヨン。機械式腕時計の機構の一種である「トゥールビヨン」の名を冠するブガッティの自信作だ。ブガッティ伝統の意匠を受け継ぎつつ、E-4WDのPHEVという新しい世界に挑戦している。
※本稿は2024年12月のものです
文:大音安弘/写真:大音安弘、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年1月10日号
2026年納車開始! フランス発「走る機械時計」
フランスのハイパーカーメーカー「ブガッティ」が、2021年6月に発表した最新モデル「トゥールビヨン」が、日本でもお披露目された。
2021年にクロアチアのEVメーカー「リマック」とポルシェの合弁会社の傘下となった新体制化の第一弾とあって、先代となる「シロン」からのパーツの流用はなく、全面刷新を図ったことが強調された。
その姿勢は、スタイリングでも表現される。
馬蹄型フロントグリルやボディサイドのC型モチーフ「ブガッティライン」などの伝統的なアイコンによる上品な佇まいを守りつつ、より低くなった全高や絞り込んだボディライン、高性能な大型リアディフューザーなど、より好戦的な雰囲気を強めた。もちろん、それらは最高速を極める機能でもある。
最も劇的な変化を遂げたのはパワートレーン。現代ブガッティのアイコンである8L、W16型4ターボエンジンに別れを告げ、英国コスワース社と共同開発の8.3L、V16型NAエンジンを搭載。前輪を2基のモーターによるEアクスルで、後輪をエンジン+電気モーターでそれぞれ駆動するE-4WDのPHEVに仕立てた。
そのシステム総出力は1800psにもおよび、0-100km/h加速は2秒に過ぎず、最高速度も445km/hへ。しかも60kmのEV走行も可能だ。
トゥールビヨンの名に込めた思いは、タイムレスな存在となること。そこで時代感が反映されるメーターを、長年愛される機械式時計のようにデザインした。同様に内装も、デジタル感を薄めた上品な空間に仕上げている。
250台限定で価格は380万ユーロ(約6億円)もするが、すでに完売済み。2026年から納車開始予定で、日本にも顧客がいるようだが、導入台数を含め、すべてが伏せられている。
●ブガッティ トゥールビヨン 主要諸元
・全長×全幅×全高:4671×2051×1189mm
・ホイールベース:2740mm
・車重:1995kg
・総排気量:8.3L
・パワーユニット:V16自然吸気+モーター
・最高出力:1014ps
・最大トルク:91.8kgm
・モーター(フロント):340ps(2基)
・モーター(リア):340ps/24.5kgm(1基)
・トランスミッション:8速DCT
・価格:日本価格非公表
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