国宝級の名車「マツダロードスター」現行型の魅力と次期型への期待

国宝級の名車「マツダロードスター」現行型の魅力と次期型への期待

 ライトウェイトスポーツカーの代表的モデルである、マツダ「ロードスター」。1989年の初代モデルNA型から貫く「人馬一体」を根差したクルマづくりは、現行モデルND型へも見事に継承されており、2人乗り小型スポーツカーとしては、異例の累計生産120万台以上という、輝かしい記録をもつクルマでもある。

 そんなロードスターも、現行ND型は、この5月で9年が経過する。ND型ロードスターの魅力を改めて振り返りながら、次期モデルがどうなるのか、考えてみよう。

文:吉川賢一/写真:MAZDA

【画像ギャラリー】これが次期ロードスターの姿か!?? マツダがジャパンモビリティショー2023に出展した「MAZDA ICONIC SP」(15枚)画像ギャラリー

ソフトトップのハンドリングの気持ちよさは格別

 ロードスターといえば、東京オートサロン2025では、2.0Lエンジンを搭載し、ビルシュタイン製ダンパー、ブレンボ製ブレーキといったアイテムでカスタムした「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 」が市販予定モデルとして出展され、大いに話題になった。通常モデルの他に、200台限定の「12R」も登場。12Rは700万円に達する高額車となるようだが、このクルマのレーシング濃度はかなり高く、販売開始後、即完売となることは間違いないだろう。

 現行ND型のソフトトップは、1.5Lガソリンエンジンに6速MTまたは6速ATが組み合わされる。絶対的な加速度はそれほどではないが、車重は1050kg前後と軽く、1.5L直4エンジンのパワー(ソフトトップ、最高出力136ps、最大トルク152Nm)も大きすぎず小さすぎず、街中やワインディングなどでエンジンを気軽に高回転まで回すことができる。

 2.0L直列4気筒エンジンを搭載する電動ハードトップのRFもいいのだが、人馬一体のハンドリングをより気持ちよく味わうことができ、手の内でクルマを操るフィーリングを体感できるのは、ソフトトップのほうだと思う。運転好きならば一度は味わいたいドライブフィールだ。

2024年12月24日、ロードスター誕生35周年を記念した特別モデル「35周年記念車」。発売は2025年2月上旬の予定
2024年12月24日、ロードスター誕生35周年を記念した特別モデル「35周年記念車」。発売は2025年2月上旬の予定
「ヴィンテージ」をテーマに、深みのあるアーティザンレッドのボディカラーと、上質なスポーツタンのインテリアを組み合わせている
「ヴィンテージ」をテーマに、深みのあるアーティザンレッドのボディカラーと、上質なスポーツタンのインテリアを組み合わせている

次期型ではフルハイブリッド化やBEV化はないのでは?

 歴代ロードスターのモデルライフは、初代(NA)が1989年から1998年、2代目(NB)が1998年から2005年、3代目(NC)が2005年から2015年と、長くても11年となっている。現行4代目NDは、2015年に登場しており、歴代どおりのモデルライフとなるならば、2026年には新型モデルが出ることになる。

 次期ロードスターにおいてもっとも気になるのは、やはりパワートレインだろう。筆者は、ロードスターは、少なくとも次期型では、フルハイブリッド化やバッテリーEV化はないと考えており、既存の1.5Lガソリンエンジンの改良、もしくはマイルドハイブリッド仕様ととどめるのではと予想している。

 ロードスターは車重が1トンちょっとしかない「軽さ」があってこそだ。ロードスターも世代を重ねるごとに重たくなってきてはいるが、4代目に登場した最軽量グレード「990S」は、初代モデル(940kg)に匹敵する軽さを実現しており、現行NDも、先代に対して50kgもの軽量化に成功している。

 もちろん、2030年までに全車電動化とする戦略を立案しているマツダのクルマなのだから、ロードスターもいずれは電動化されることにはなるのだが、次期モデルの登場が通例通り2026年となるならば、2030年まではまだ数年ある。そのため、次期ロードスターではまだ対応せず、(2030年の)ギリギリまで、軽さを優先したパワートレインを採用するのでは、と考えるのだ。

 デザインに関しては、ジャパンモビリティショー2023に出展された、コンパクトスポーツカーコンセプト「マツダアイコニックSPが参考になるだろう。

 アイコニックSPの低いフロントノーズ、リトラクタブルヘッドライト、ワイドな前後フェンダー、小さなキャビンなどは、NDの延長線上にあるようにもみえ、次期型かこうなると示唆しているようにも思える。

 マツダは、量産モデルであっても、コンセプトカーのような奇抜なデザインに極力近づけてくる傾向もある。デザインの評価が高いアイコニックSPに近いとなると、次期型ロードスターのデザインは、かなり期待できると考えてよいのではないだろうか。

コンセプトカーのアイコニックSP。コンパクトスポーツカーコンセプトとして登場しており、ここに次期ロードスターのデザインテイストが織り込まれている可能性は大きい
コンセプトカーのアイコニックSP。コンパクトスポーツカーコンセプトとして登場しており、ここに次期ロードスターのデザインテイストが織り込まれている可能性は大きい
アイコニックSPはリアスタイルが秀逸。なだらかなリアガラスや盛り上がったフェンダーラインなど、スポーツモデルに相応しい色気のあるデザインだ。次期ロードスターRFになるか!??
アイコニックSPはリアスタイルが秀逸。なだらかなリアガラスや盛り上がったフェンダーラインなど、スポーツモデルに相応しい色気のあるデザインだ。次期ロードスターRFになるか!??

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