2013年11月26日、トヨタ 初代アクアがマイナーチェンジを果たした。ハイブリッドシステム制御の効率化でJC08モード燃費37.0km/Lを達成、フィットハイブリッドに奪われた燃費キングの座に返り咲いた。「意地のマイナーチェンジ」の内容をプレイバック!(ベストカー」2013年12月26日号に掲載した記事の再録版となります)
文:渡辺陽一郎、編集部
■ハイブリッドシステム制御の効率化により燃費を37.0km/Lまで引き上げた
アクアの一部改良は当初は11月25日に記者発表という予定だったが急遽26日に変更となったため、ここではベストカーが入手した確定情報をもとにお伝えする。
今回の一部改良点は以下の通り。
・ハイブリッドシステム制御の効率化で燃費が向上。L:37.0km/L(+1.6km/L)。車重が1080kgを超える場合33.8km/L(+0.8km/L)※カッコ内は旧型比
・メーター文字を白色化(全グレード)
・撥水フロントガラス標準化(S、G)
・オート電動格納ミラーを標準化(全グレード)
・ヒルスタートアシストコントロールを改良(全グレード)
・低転がりタイヤの採用(S、G)
・新色のディープアメジストマイカメタリックを追加(S、G)
最大のトピックは、ハイブリッドシステム制御の効率化により燃費を向上させたことで、JC08モード燃費を37.0km/Lまで引き上げ、フィットハイブリッド(36.4km/L)に奪われていた燃費キングの称号を奪回。
ただし、LEDヘッドランプパッケージ、ツーリングパッケージ、オーディオパッケージ、スペアタイヤ、シートヒーター&排気熱回収器、SRSサイドエアバッグ&カーテンシールドエアバッグ、寒冷地仕様のオプション装着時はS、Gは車重が1090kgを超えるため、33.8km/Lとなる。
従来モデルはオプションを装着して1090kGを超えると33.0km/Lだったから、+0.8km/Lの進化。
ライバルのフィットハイブリッドは最も燃費のいい標準仕様が36.4km/L、売れ筋のFパッケージが33.6km/L、Sパッケージが31.4km/Lだから、すべてでアクアがリード。
この超低燃費は2015年のデビューが有力視されている次期プリウス登場まで破られることはない?
いっぽう外観の変更はなし。
装備では撥水フロントガラス(S、G)、オート電動格納ミラー(全グレード)、低転がりタイヤ(S、G)の標準化、ヒルスタートアシストの改良(全グレード)、インテリアではメーター文字が白色化された程度。
写真にあるプリウス、ラクティスで人気のディープアメジストマイカメタリックを新色として追加し、全11色から選べる。アクアでも人気が出るのは必至。
グレードもL、S、Gの3タイプと不変で、車両価格は全車一律1万円アップの170万~195万円。発売開始は12月2日以降となる。
【画像ギャラリー】燃費37.0km/Lでフィットハイブリッドにリベンジ!? 中古も注目 トヨタ初代アクア意地のマイナーチェンジ(6枚)画像ギャラリー■宿命の対決! アクアvs.フィットハイブリッドどっちがお得?
まずは最も燃費の優れたアクアL(170万円)対フィットハイブリッド標準仕様(163万5000円)の比較。標準仕様ではフィットハイブリッドでも後席をダイブダウンして小さく畳む機能はなく、主に装備の違いになる。
フィットハイブリッドは簡素とはいえ、アクアが装着しないスマートキー&プッシュエンジンスタート、イモビライザー(盗難防止装置)を装着する。いっぽう、アクアはフィットハイブリッドの標準仕様が備えないサイドターンランプ&オート格納付き電動格納式ドアミラーを装着する(フィットは鏡面角度の電動調節のみ)。
それでも装備はフィットハイブリッド標準仕様が充実して、価格はアクアLよりも6万5000円安い。だからフィットハイブリッドが買い得だ。
次は相応に装備を充実させた売れ筋の仕様同士を比べる。
アクアの売れ筋はS(181万円)で、スマートエントリーパッケージ(5万3500円)、LEDヘッドランプパッケージ(11万5500円)、サイド&カーテンエアバッグ(4万2000円)を加える。総額は202万1000円だ。
対するフィットハイブリッドは、Fパッケージ(172万円)にLEDヘッドランプ(6万5000円)、あんしんパッケージ(低速域の衝突回避支援機能+サイド&カーテンエアバッグ=6万円)を加え、総額は184万5000円になる。
アクアはSにグレードアップすることでリアワイパーや運転席の上下調節機能を加え、フィットハイブリッドはFパッケージになれば、アクアと同等の装備に加えて後席のダイブダウンや座面を持ち上げる機能も付く。
また、アクアはサイド&カーテンエアバッグが4万2000円だが、フィットハイブリッドのあんしんパッケージは、衝突回避の支援機能を含めて6万円(ちょっと高くなってもいいからアクアにも設定してほしかった!)。後席のアレンジを含め、装備はフィットハイブリッドFパッケージがアクアSよりも5万円程度は勝る。
しかもオプションを含めた価格はフィットハイブリッドが17万6000円安い。合計23万円くらいはフィットハイブリッドが割安だ。加えて価格換算できない後席の居住性も快適だから、総合的にフィットハイブリッドのほうが買い得になる。
いっぽう、アクアのメリットは、80mm低い全高がもたらす機敏な運転感覚と5ドアクーペ風の外観だ。つまりスポーティで趣味性の強いアクア、機能に対して割安で実用的なフィットHVという位置付けになる。
最後に新型フィットはi-DCDの採用によりモーターのみの走行ができるようになったが、アクアのような任意で切り替えられるEVモードはない。
(ここまでのTEXT/渡辺陽一郎)
【画像ギャラリー】燃費37.0km/Lでフィットハイブリッドにリベンジ!? 中古も注目 トヨタ初代アクア意地のマイナーチェンジ(6枚)画像ギャラリー










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