【納得】ヤリス統合説もあったけど…アクアが未だ存在するワケ

【納得】ヤリス統合説もあったけど…アクアが未だ存在するワケ

 ハイブリッドカーの世界を兄貴分のプリウスとともにけん引してきたアクア。サイズや価格面で競合するヤリスハイブリッドが登場し、役目を終えたと思いがちだが、販売は続いている。現行アクアの存在意義を考えてみたい。

文:デグナー12(Team Gori)/写真:トヨタ

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ヤリスと同等サイズながらゆったりしたつくりのアクア

アクアの後部座席はヤリスに比べて若干ゆとりがある印象
アクアの後部座席はヤリスに比べて若干ゆとりがある印象

 アクアとヤリスのサイズをカタログ値で比べると同等であることに気づく。アクアの方が全長100mm、ホイールベース50mm長いが、全幅、全高は同等。室内寸法はヤリスの方が若干上回っているが、後部座席に座るとアクアの方が足元と頭上でこぶし1個分ヤリスより余裕がある印象。ホイールベースとリアガラスの傾斜の差が影響しているのだろう。

 前席側もアクアはエレクトロシフトマチックがインパネ上に鎮座しており、オーソドックスなシフトノブとパーキングブレーキを備えるヤリス対し、ゆとりがある印象。荷室も最大高こそ同等ながら、アクアの方が26mm長く、153mm幅広で、荷物の出し入れがしやすくなっている。同等のボディサイズながら室内空間はアクアの方が広めといえる。

 室内外のサイズに関しては上記のように厳密な差別化は難しいものの、他メーカーも含めて考えればこのカテゴリーは激戦区。ノートe-POWER、フィット、マツダ2などがひしめき合っている。その中にあってアクアとヤリスの2車種という選択肢があるのは、トヨタにとって強みといえるだろう。

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アクアの駆動用バッテリーはニッケル水素電池ではない

バイポーラ型の技術はリチウムイオン電池への応用も可能とされ、今後バッテリーの高出力化と蓄電量の向上が期待されている
バイポーラ型の技術はリチウムイオン電池への応用も可能とされ、今後バッテリーの高出力化と蓄電量の向上が期待されている

 アクアに搭載されているエンジンはヤリスと同型だが、異なるのが駆動用バッテリー。今のハイブリッドカーではメジャーなリチウムイオン電池を搭載しているヤリスに対し、アクアはニッケル水素電池を搭載している。ニッケル水素といえば一昔前のバッテリーというイメージだが、アクアは新技術のバイポーラ型ニッケル水素となっている。

 バイポーラ型は簡単にいうと、正極と負極に分かれていた電極板を1つの集電体にしたもの。コンパクトでバッテリー内の電気抵抗が少なく、出力はニッケル水素比で2倍程度とされている。

 そのため、アクアのモーター出力はカタログ値こそヤリスと同数値だが、実際に乗ってみるとモーターだけで駆動している割合が多いことに気づいてもらえるはずだ。

 燃費も良化しそうなものだが、意外にもカタログ値はヤリスの方がわずかに上。この辺りはアクアの車重が70~80kg重いことが影響しているのだろう。逆にそれだけの重量差がありながら同程度の燃費性能はバイポーラ型電池の恩恵か。そういう点でバイポーラ型電池のアクアは今後のハイブリッドカーの試金石となるかが存在意義に思えてくる。

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先進のハイブリッド技術を気軽に味わえるアクア

アクアはインパネ上にシフトノブがあるため、ヤリスに比べてスッキリした印象の室内
アクアはインパネ上にシフトノブがあるため、ヤリスに比べてスッキリした印象の室内

 乗り比べた印象は、アクアの方が投入されている先進技術の差でクルマの格は上。また、モーター駆動が多い分、静粛性に優れ、室内もゆとりがある。一方のヤリスはアクアよりホイールベースが短い分、最小回転半径も小さく、ハンドリングも軽快。また、15インチタイヤのアクアに対し、ヤリスは14インチとタイヤコストの負担が小さい点も見逃せない。

 カタログデータだけでは他車との違いが見えにくいが、最新のハイブリッド技術が盛り込まれたアクアは今後もハイブリッドカーをけん引する一翼を担うことになるだろう。BEVの普及にもう少し時間がかかる現状を考えると、アクアの存在はまだまだ有意義といえる。

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