運転免許更新で75歳以上が直面する認知機能検査とその対策

運転免許更新で75歳以上が直面する認知機能検査とその対策

 運転免許を持つみんなに関わる話。「75歳」という年齢がひとつのポイントなのをご存じだろうか。75歳以上の免許証返納件数が(意外にも)2020年からどんどん減っている状況のなか、75歳以上の免許更新の際には、合格難易度が高い「検査」を受けることが課せられている! 免許更新の特別枠ルールといえるこの「検査」は、まさに「75歳からの大きな壁」。壁の正体を今のうちに知っておきましょ!!

文・写真:ベストカーWeb編集部/写真:Adobe Stock

▲「ディーラーなのに売らない」ってどういうこと?
▲「ディーラーなのに売らない」ってどういうこと?
【画像ギャラリー】[75歳からの免許更新]の際に役立つ「脳活ドリル」を大公開!!(15枚)画像ギャラリー

ここ数年、高齢者運転免許の自主返納件数が減り続けている。そのワケは?

意外にもここ数年、高齢者の運転免許 自主返納件数が減り続けている。そのワケとは……!?
意外にもここ数年、高齢者の運転免許 自主返納件数が減り続けている。そのワケとは……!?

 2023年の「運転免許証の自主返納件数」は38万2957件(警察庁統計)。

 前年の2022年から6万5519件減り、4年連続の減少という。意外と思える数字だが、75歳以上の自主返納件数を見てみると……。

 2019年が35万428件なのに対して、2023年は26万1569件と激減している! なぜか?

 要因は「コロナ禍」。2020年からのコロナ禍で「ほかの人と密にならないクルマでの移動も、運転免許も手放したくない」というのが理由。高齢者は重傷化リスクが高いゆえ、なるほどと思う。

 それとともに注目したい部分は、75歳以上の免許更新の際に現れる「75歳からの大きな壁」。この壁の正体が「認知機能検査」。高齢者だけでなく免許を持つみんなにも、今のうちに知っておいてほしいのです!!

「認知症疑い」のある高齢ドライバーを見抜いていく措置(検査)

「認知症の疑い」がある、あるいは「認知症」の高齢ドライバーにはハンドルを握らせないという措置が「認知機能検査」だ(※画像はイメージ)
「認知症の疑い」がある、あるいは「認知症」の高齢ドライバーにはハンドルを握らせないという措置が「認知機能検査」だ(※画像はイメージ)

 高齢ドライバーが起こす事故の割合は、残念ながら減る兆候はない。認知症が要因というケースは少なくなく、その対策として、警察庁が75歳以上のドライバーに課しているのが「認知機能検査」。

 免許更新の際の「特別枠ルール」ともいえ、運転免許更新する際に義務化となっている。

 狙いを端的に言うと「認知症の疑い」がある、あるいは「認知症」の高齢ドライバーにはハンドルを握らせないという措置(検査)。それだけに、「認知機能検査」の難易度は高い。

「認知機能検査」とほぼ同じものがコレ。これらのようなイラスト、合計16枚を約4分間で記憶し、「何が描かれているか?」を解答する出題内容
「認知機能検査」とほぼ同じものがコレ。これらのようなイラスト、合計16枚を約4分間で記憶し、「何が描かれているか?」を解答する出題内容

 上にあるのが「認知機能検査」とほぼ同じもの。万年筆や飛行機などのイラスト4枚を約1分間で記憶することが1セット。同様のことを続けて3セット行う。

 つまり、合計16枚のイラストを約4分間で記憶し、「その16枚のイラスト、何が描いてありましたか?」が出題内容。記憶力はもちろん、脳の柔軟性が問われる出題で、高齢者が何も準備せずに合格するのは難しい。

「認知機能検査」は、まさに「75歳からの大きな壁」といえる!

「運転に重要な脳機能。その老化スピードは遅らせられます」(脳専門医・塚本 浩先生)

過去3年間に一定の違反歴がある75歳以上の方は、「認知機能検査」の前に「運転技能検査」を受ける義務がある。こんな感じで検査員からブレーキを踏まれないようにしたいですね!
過去3年間に一定の違反歴がある75歳以上の方は、「認知機能検査」の前に「運転技能検査」を受ける義務がある。こんな感じで検査員からブレーキを踏まれないようにしたいですね!

 では、合格に向けてどんな準備をすればいいのだろうか。

「脳を鍛える脳活が有効と言えます。加齢とともに脳は萎縮(老化)してしまいますが、仕方がないとあきらめる必要はありません。脳は使えば使うほど鍛えられ、老化のスピードを遅らせることができです」

 こう語るのは、脳神経内科専門医・塚本 浩先生。現在、東京医科大学で脳神経疾患の専門診療に携わりながら、認知症の早期発見や予防研究も行う、脳神経内科専門医。

「脳を鍛える脳活ドリルを定期的に行えば自然と脳活され、認知機能検査を受ける時の不安もなくなると思います」と付け加えてくれた。

 その塚本 浩先生が考案した「脳活ドリル」の一例が下にある「時計計算」。

専門医・塚本 浩先生が考案した「脳活ドリル」の一例。それぞれに「10分後」「25分後」など書いてある時間を「頭の中で」導き出すというもの
専門医・塚本 浩先生が考案した「脳活ドリル」の一例。それぞれに「10分後」「25分後」など書いてある時間を「頭の中で」導き出すというもの

 8問それぞれに「10分後」や「25分後」など書いてある時間を導き出して、右側の時計に「短針と長針」を正確な位置に描くというもの。頭のなかで考えて描いてみる! というのがコツの脳活ドリルだ。

 高齢者だけでなく、仲間同士や家族みんなで考えても盛り上がるので、ぜひやってみてほしい!

次ページは : 脳専門医・塚本 浩先生が考案・監修した「脳活ドリル」が187問も掲載!!

PR:かんたん5分! 自動車保険を今すぐ見積もり ≫

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

JMS2025に出なかった大物たちの行方は?最新の注目車対決10番勝負『ベストカー12.26号発売!』

JMS2025に出なかった大物たちの行方は?最新の注目車対決10番勝負『ベストカー12.26号発売!』

ベストカー12.26号 価格590円 (税込み)  あの「ジャパンモビリティショー2025…