従来のクルマと同じではバツ! な“HV、PHEV、EVの間違った牽引法”
クルマが故障して動かなくなった時、多くの人はJAFやレッカー車を呼んで牽引し、最寄りのディーラーやクルマ屋に運んでもらうだろう。
しかし、レッカー代の心配や、近くにクルマを持った友人がいるなどで“ロープ牽引”を考える人もいるかもしれない。
実際、筆者が学生の頃にボロの愛車が動かなくなり、自車のシフトをNにしてサイドブレーキを解除し、友人にロープ牽引をしてもらったことがある。
さて、動力に少なからず電気を使うHV、PHEV、EVに搭載されているモーターは、電気をエネルギーとして回転することで動力を発生するが、逆にモーターを回転させることで発電もする。この特性を利用したのが回生ブレーキである。
タイヤが回転することで発生する運動エネルギーを電気エネルギーに変換させて“回”収し、走行時に“生”かすことから“回生”と呼ばれ、アクセルから足を離すと、発電機となったモーターは抵抗力となって減速(ブレーキ)。
と同時に、発電された電気はバッテリーへ充電され、今度はその電気を使って加速時にモーターを動かすわけだ。
となると、4輪が接地したままでの牽引法では、車輪の回転とともにモーターが回って発電し、発生した電力によってシステムにダメージを与える恐れがある。
HV、PHEV、EV取り扱い説明書には「駆動輪を持ち上げる」ほか、パーキングブレーキが電動化されていることが多く、故障時は完全に解除できないクルマもあるので「4輪とも持ち上げる」など、電気を使うクルマならではの牽引時の注意点が細かく書かれている。
というわけで、従来のガソリン車では可能だったロープ牽引では愛車を壊す可能性大アリ! HV、PHEV、EVに乗っている人は今一度、愛車の取り扱い説明書をよく読むことをお薦めする。
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コメント
コメントの使い方そうか、電動パーキングブレーキってクルマが壊れたら解除できなくなる場合かあるのか。じゃあ、完全にバッテリーが上がったときは?
普通に手動式のパーキングブレーキにしておいてくれよ! 何でも自動、標準装備にしてクルマの価格が跳ね上がるし、頭使わないアホなドライバーは増えるし、全く困ったもんだよ。
ためになるお話でした。道行く車の44%が空気圧不足だなんて、日常点検してる身として信じ難いですが現実なんですね・・・。
新しい車ならACオン推奨なのも、古い車と違う常識なので、近しい人によく話しています。
HVの件も、自分ではHV車に乗ること無くても、雪道で引っ張り出す相手な事は多いので、覚えておいて気を付けなくてはいけませんね。