2023年に事故を起こし、開発を停止していた米・クルーズの自動運転タクシー「オリジン」。2024年に事業を再開し、提携先であるホンダも胸をなでおろしていた矢先、親会社のGMが自動運転タクシーからの撤退を発表。どうするホンダ!?
※本稿は2025年1月のものです
文:角田伸幸/写真:ホンダ、テスラ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年2月10日号
東京の無人タクシー計画はどうなる?
子会社のクルーズを通じて自動運転タクシー(ロボタクシー)事業を進めていた米GMが、同事業からの撤退を発表した。
GMのロボタクシーには日本のホンダも参画していたが、この提携も解消。2026年初頭から東京都内で無人タクシーサービスを行うとしていたホンダの計画は、白紙に戻ってしまった。これまでにホンダがクルーズに投じた資金は、約1300億円といわれる。
過去にも報じたとおり、クルーズのつまずきは2023年10月、路上に横たわる人を誤って轢いてしまう事故を起こしたこと。
これをきっかけにクルーズはロボタクシーの運用を停止、CEOが辞任すると同時に専用車両「オリジン」の開発凍結へと至った。2024年に入って細々とながら事業を再開していただけに、非常に残念な展開だ。
クルーズの行方だが、GMの技術部門に統合されて、一般乗用車向けのADAS(先進運転支援システム)の開発などを手がけるという。目下GMは車両の電動化、知能化を織り込んだ事業再編のただ中にあり、クルーズの知見は、その流れのなかに活かされるだろう。
いっぽう東京のロボタクシー計画だが、ホンダに代わってタクシー配車を手がける「GO」が、日本交通や米ウェイモと組んで実証実験に乗り出しそう。2025年には数台のタクシーが走り出すというから、これはこれで楽しみだ。
クルーズが抜けたロボタクシーの世界だが、2025年は前述のウェイモとアマゾン(ズークス)、テスラが牽引することになりそう。中国でもバイドゥやオートX、ポニーAIなどが技術を磨いており、実用化へ駒を進めそうだ。非情ではあるが、ロボタクシーの歩みは止まりそうもない。
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