新車や中古車を購入するとき、車両本体金額やオプションとは別に必要となるのが諸費用です。登録諸費用とも呼ばれ、その金額は10万円~30万円近くになることも。クルマを買うときに無視できない諸費用は、同じメーカー系ディーラーでも、店が違うと金額が異なることがあります。諸費用はどのようにして決まっているのでしょうか。隠された諸費用の謎を明らかにしていきましょう。
文:佐々木 亘/画像:Adobestock(トップ写真=BlueBeans@Adobestock)
【画像ギャラリー】新車購入時の諸費用には様々な項目があるんです(3枚)画像ギャラリー諸費用には必要経費と手数料の2つがある
諸費用には、大きく分けて2つの種類があります。
まず車の登録時に国や地方公共団体へ支払うお金です。例えば、自動車税や自賠責保険料、車庫証明の申請費用などがこれにあたります。これは、全国どこのお店でも、車両購入時に同じ金額が必要です。
もう一つの諸費用は、一般に手数料や代行費用などと呼ばれるものになります。これは、前述の税金などと異なり、お店ごとに請求額が異なるのです。一般的に各店舗が独自に設定している手数料や代行費用。ある程度の設定基準は存在しますが、地域性や運営方針によって差が出るのです。
【画像ギャラリー】新車購入時の諸費用には様々な項目があるんです(3枚)画像ギャラリー手数料や代行費用ってディーラーの儲け?
ユーザー側から見ると、「手数料=儲け」と単純に思うかもしれませんが、実際にはそうとも限りません。新車のナンバー取得(登録)や納車には、書類作成や役所への手続きに始まり、車両保管・管理、納車準備のための洗車など、新車を注文から納車まで導くためには様々な労働力が必要となるのです。
これらの実務には、もちろん人件費や時間がかかるため、手数料にはクルマを乗れるようにするまでの準備にかかるコストという位置づけが、最もしっくりとくるでしょう。
ただし、場合によっては、この手数料をカットするということも可能になります。例えば納車費用は「ディーラーがユーザーの自宅までクルマを運ぶコスト」なので、店頭納車の場合には0円になることがほとんどです。
店頭納車なのに納車費用が入っている時には、販売店の儲けとなっている事もあるので要チェック。
一方で、手数料・代行費用でもカットしない方が良いものも。それが「OSS申請代行費用」と呼ばれるものです。
これはクルマを購入した際に必要な登録手続きを、ディーラーや販売店が代理でおこなうために発生する手数料のことをいいます。手数料は、一般的に2万円から4万円、7万円近く請求するところもあることも。決して安い費用ではないため省きたいと考える人もいますが、これを省くとかなり面倒なことになります。
クルマの登録は、専門的な知識や正確な書類が必要です。現にOSS代行費用の大部分は、行政書士への報酬に充てられています。OSS申請には知識・設備・時間がかかるため、個人で行うのは現実的ではありません。
【画像ギャラリー】新車購入時の諸費用には様々な項目があるんです(3枚)画像ギャラリー新車と中古車では諸費用に違いがある
新車はゼロからスタートする車です。そのため、ナンバープレートの登録や車庫証明の取得といった基本的な手続きが主な作業になります。
これらは比較的シンプルで、ディーラーにとっても慣れた流れです。大量の新車を取り扱うディーラーでは、登録作業が効率化されていることも多く、中古車と比べると手数料コストが抑えられている事もあります。
一方で、中古車は新車と少し事情が異なります。車検の残り期間があるクルマもあれば、車検切れとなっているケースもあり、そのクルマに応じた作業が必要となるのです。
また、中古車には車両ごとにコンディションが異なるという特性があり、場合によっては整備や清掃の手間が増えることもあります。こうした作業にはもちろん人手が必要となりますから、整備費用等を諸経費に載せている業者の場合には、新車よりも諸経費が以上に高くなるというケースも存在するのです。
新車の諸費用は、シンプルで安定していることが多いのに対し、中古車の諸費用は車両の状態や手続き内容によって変動しやすい傾向があります。この違いを理解すると、見積もりも読みやすくなることでしょう。
車の購入は、大きな買い物です。見積書の細かい部分にこそ目を向けましょう。その積み重ねが、安心で満足のいくカーライフへとつながるはずです。
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