マツダにとってのフラッグシップは何か。今ではその役割をラージ商品群のSUVが担っているが、かつてはセダンだった。そのなかでも、ドイツプレミアムブランドに負けない1台こそ、最後のルーチェである。
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】ルーチェのオシャな内装がなかなかにナウイよね! (9枚)画像ギャラリー初代からフラッグシップモデルとして君臨し続けたルーチェ
現在、MAZDA6が終売となったことで、フラッグシップモデルはクロスオーバーSUVであるCX-60とCX-80となっているマツダ。しかし過去にはセダンタイプの高級車がラインナップされていた時期が存在していた。それがルーチェである。
1966年に初代モデルが登場したルーチェは、ファミリアに次いでリリースされた乗用車であり、ジウジアーロがデザインしたスタイリッシュなスタイルも特徴となっていた。
マツダのアイデンティティでもあるロータリーエンジン搭載車もラインナップされ、初代モデルではまったく異なる前輪駆動レイアウトを持ったルーチェロータリークーペが存在していた。
だが、2代目モデルからは同じボディにレシプロエンジンとロータリーエンジンの2種類が搭載される形となっている。
そんなルーチェの最後を飾るモデルとなったのが、1986年に登場した5代目モデル。ボディタイプは4ドアセダンと4ドアハードトップが用意され、「日本のニューステイタス・サルーン」を標榜して登場した。
【画像ギャラリー】ルーチェのオシャな内装がなかなかにナウイよね! (9枚)画像ギャラリーパワートレインも見どころ満載
そのデザインは堂々としたフロントグリルにボンネットにそびえるマスコットを備えており、ボディ下部を覆う樹脂製のパネルやCピラーの処理が当時のメルセデスベンツに似通っていたことから、“広島のベンツ”と言われることもあったほどだ。
今見てみるとそこまで似ているようにも思えないのだが、5ナンバーサイズに収まっていながらもそれ以上に大きく見える堂々としたスタイルがそう言わせていたのかもしれない。
なお、パワートレインには新開発となるV型6気筒エンジンを主軸とし、ハードトップモデルには引き続きロータリーエンジンも設定。
V6エンジンはデビュー当初は2Lのみとなっていたが、1987年8月には3Lモデルも追加され、ルーチェ史上初の3ナンバーモデルとなっていた。
フラッグシップセダンではあったが、マツダらしさも随所に散りばめられており、1988年9月のマイナーチェンジではV6 3LエンジンをDOHC化したほか、ユーロチューンドサスペンションやピレリP6タイヤを装着した「V6 3000リミテッド」を設定.。
フラッグシップセダンでありながらスポーティさを忘れないモデルでもあったのだ。
そんなルーチェであったが、1991年に登場し、本格的な3ナンバーサイズボディを持った新世代のフラッグシップセダンであるセンティアにその座を譲り、営業車仕様が1995年末まで販売されたのち、完全に終売となっている。
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