【番外コラム】復活。そして再び 絶版になったクルマたち
●三菱 GTO
1970年代、ファストバッククーペの代名詞と言われ、大ヒットしたのがギャランGTOだ。このGTOとは、「グラン・トゥーリスモ・オモロゲート」の略で、それは、すなわちイタリア語でGTレース用ホモロゲーションモデルを意味する。
1990年代に3LのV6DOHCターボを積んで復活したが、初代ほどの人気は得られなかった。デザインに初代モデルの面影はまったくなかったし、エンジンも駆動方式もまったく違う。ネーミングだけを受け継ぎ、GTOらしさが薄かったから短命に終わっている。
が、高度な技術はランエボなどに生かされた。
●三菱 FTO
これも1970年代にGTOの弟分として登場し、マニア受けしたFTOを甦らせたリバイバルカーだ。そもそもFTOとは「フレスコ・トゥーリズモ・オモロゲート」の略。これはイタリア語で「公認された新鮮なフィーリングを持つクルマ」という意味のネーミングだ。日本で初めてスポーツモード付き4速ATを搭載し、V6エンジンを主役とした。最初は注目を集めたが、すぐに尻すぼみとなっている。
三菱はこの手のクルマを安易に復活させることが多い。だが、オリジナルモデルとの共通点がなく、商品の魅力も元祖に遠く及ばなかったからすぐに絶版となった。
●日産 シルビア
1965年にデビューした初代シルビアは、少量生産の高級スペシャリティカーだった。ハンドメイドの部分も多く、価格もベラボーに高かったので買える人はかぎられている。そのため一代かぎりで消滅したが、1970年代半ばに復活させた。
この2代目シルビア、当初はロータリーエンジンを積む予定だった。が、この計画がポシャったため、急きょレシプロエンジンを積んで登場したのだ。
だが、サニーベースで、エンジンも非力だったから名声を得られていない。
●日産 スカイラインGT-R
ハコスカの時代、サーキットで常勝を誇り、公道でも群を抜く速さを見せたのがGT-Rだ。2代だけで途絶えていたが、8代目のR32スカイラインの時に復活した。
こちらも時代の先端をいく新技術を満載し、レースでも大暴れしている。台数的にも大成功を収めたから、GT-RはR33、R34と続いた。
だが、ボディが大きくなり、メカニズムの進歩も少しだけ。排ガス規制が厳しくなり、整理されたが、この技術力は今のクルマに受け継がれている。もちろん現行のGT-Rにもハコスカから続く、新しいメカに挑戦する姿勢は受け継がれている。
(TEXT/片岡英明)
(写真、内容はすべて『ベストカー』本誌掲載時のものですが、必要に応じて注釈等を加えている場合があります)




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