最強の3列シートのクロスカントリーSUVと言えば何を思い浮かべるだろうか。ある時は乗用車、またある時は消防車、陸軍車両にもなってしまう、まさに最強のSUVがサファリである。特に乗用モデルが大きく進化した、2代目サファリのデキは、ランクルやパジェロも真っ青なのだ。
文:佐々木 亘/画像:日産
【画像ギャラリー】日本での復活熱望! サファリという秘蔵っ子があまりにも凄すぎた件(8枚)画像ギャラリーガソリンワゴンの登場で舗装も大自然もサファリのステージになる
1987年に2代目へモデルチェンジしたサファリ。本格オフロード4WDの力はそのままに、内装のレベルが格段に上がって、高級SUVとしても見られるようになったのだ。
渾身のニューモデルを紹介するカタログも、ヘビーデューティーモデルらしからぬインテリアから紹介するという流れ。コントロールゾーンと呼ばれるドライビングスペースでは、ホログラフィックサウンドシステムという最新のオーディオシステムが紹介されている。
シート表皮は上級グレードで本革を採用し、オプションではあるがシートヒーターもつく。また、車内には3列目まで空調がしっかりと行き届くデュアルエアコンを装備した。さらに3列目シートのある右側面には250mlの缶飲料が10本収納できる容量6.4Lの大型クールボックスも備わる。
約10年あとに登場するランクルシグナスも真っ青な充実の装備は、最上級クロカンSUVを名乗るにふさわしいだろう。サファリが乗用車として本気を出すと、クラストップレベルの豪華さになってしまうのだ。
ヘビーデューティーに耐える強靭なメカニズム
2代目サファリに搭載されたのは、ガソリンとディーゼルのエンジン2本立て。ガソリンはTB42E型エンジンでOHV直列6気筒のクロスフロータイプ。総排気量は4169ccで最高出力175PS、最大トルク32.6kgmを叩き出す。直6のスムーズな吹け上がりが、サファリに新たなパフォーマンスと高級感をプラスした。
足回りにはコイルスプリング式サスペンションを採用し、2WDと4WDの切り替えがスムーズなトランスファーも備わる。またサファリの走破性を大きく高める機構がハブに用意されているのだ。
それがデュアルウェイフリーランニングハブと言われる装備。常にロック状態を保つマニュアルロックの確実さと、自動的に前輪をロックできるオートロックの便利さを合わせて保持し、スタックからの脱出時に威力を発揮するものだ。
激しい岩場などの悪路を走行する際に起きる車体の揺れは、レリースデバイスで制御し、リアのデフロックももちろん装備する。悪路も舗装路も、走行性能に関しては全方位で死角はない。
サファリはオプションでアレが付けられるのがイイ
サファリにはオプションとして用意されているのが「ウインチ」である。機械式と電動式のどちらかを選べるのもサファリの大きな魅力だ。
機械式ウインチは、エンジンパワーを利用して瞬間最大3000kgのけん引力を持ち、連続けん引力は1500kg、ワイヤーは8mm径の40mだった。
電動ウインチはけん引力が最大3600kgで、ワイヤーは8mm径の24mを用意する。外部から操作できるリモコン付きで、他車レスキューはもちろん、事故脱出でも威力を発揮するのだ。
3列本革シートで冷蔵庫が付いて、ウインチまで用意されると、もはやランクル70とシグナスが合体したようなもの。それを1987年当時に1台のヘビーデューティーモデルで実現してしまうのが、とんでもないことだった。
好調に売れすぎているランクル300・250・70や、復活が噂されるパジェロに続いてほしいのがサファリだ。2007年に途切れてしまったサファリの系譜を、日本国内に戻すのは今しかない。
サファリの復活は、国内SUV市場を大いに沸かせることとなるだろう。今こそ、やっちゃえ日産!











コメント
コメントの使い方