超有能! 中古でもまだまだ有望!! 初代アウトランダーPHEVで広がる休日の愉しみ方【ベストカーアーカイブス2014】

超有能! 中古でもまだまだ有望!! 初代アウトランダーPHEVで広がる休日の愉しみ方【ベストカーアーカイブス2014】

 ベストカー本誌の過去記事から名企画・歴史的記事をご紹介する「ベストカーアーカイブ」。今回は三菱 初代アウトランダーPHEVの試乗記事をプレイバック! 国際的なラリードライバーにして動物カメラマンでもある三好秀昌さんが、アウトランダーPHEVの新鮮な楽しみ方を提案する!(本稿は「ベストカー」2014年4月26日号に掲載した記事の再録版となります)

文・写真:三好秀昌

【画像ギャラリー】三好氏撮影の美しい鳥たちの写真と合わせて、初代アウトランダーPHEVの魅力をチェック!(10枚)画像ギャラリー

■アウトランダーPHEVに乗って野鳥を撮影! ラリードライバー三好秀昌のハッピーな休日の過ごし方

アウトランダーPHEVはエンジンが発電し、モーター走行するシリーズハイブリッド走行とエンジンによる駆動をモーターの駆動がアシストするパラレルハイブリッド走行を自在に使い分け、燃費と力強い走りを両立させている
アウトランダーPHEVはエンジンが発電し、モーター走行するシリーズハイブリッド走行とエンジンによる駆動をモーターの駆動がアシストするパラレルハイブリッド走行を自在に使い分け、燃費と力強い走りを両立させている

 暖かくなってくるだけで心がウキウキしてくる。今年の冬は雪が多く寒く、休日も家にこもりがちだった反動でどこかに出かけたくなるだろう。

 そこでドライブがてら春と自然を探しに行った。

 お題は「美しい日本の動物と自然を撮る!」とでっかく掲げておこう。

 プチトリップの相棒は三菱アウトランダーPHEVだ。このクルマは電気自動車をベースに自ら電気を生み出すためのガソリンエンジンを搭載したプラグインハイブリッド電気自動車。駆動はモーターとエンジンの効率を最適化しながら縦横無尽に使い分けるというインテリジェンスカーでもある。

「さてどんな動物に会いに行こう?」以前には冬眠明けのツキノワグマを探しに山のなかを走ったりしたこともあるが、まだちょっと早いし、短い取材中に見つけられる可能性は低い。

 そこでまもなく日本での越冬を終えてシベリアに帰る白鳥を撮影しに行くことにした。

 まだ夜明け前の街を抜けて高速道路で進路を北に取る。動物に出会うには夜明け前後に現場に到着するのが鉄則。彼らが行動に移す前のくつろいでいるところを発見するか、動き出したところを見つけるのだ。

 白鳥はそろそろ旅に出るころだがまだ旅立っていないことを祈ろう。

高速道路のPAやSAに設置される急速充電器は着実に増えている。興味津々で話しかけてくるおじさんにしばしレクチャー
高速道路のPAやSAに設置される急速充電器は着実に増えている。興味津々で話しかけてくるおじさんにしばしレクチャー

■アウトランダーPHEVは野生動物と相性がいい

セレクターレバーの後ろにエンジンを作動させ駆動用バッテリーに充電するバッテリーチャージモードと駆動用バッテリーを温存できるバッテリーセーブモードを装備する
セレクターレバーの後ろにエンジンを作動させ駆動用バッテリーに充電するバッテリーチャージモードと駆動用バッテリーを温存できるバッテリーセーブモードを装備する

 PHEVはガソリンを全く使わないEVモードで実走行約45km移動できる。しかし今回はバッテリーセーブモードで走行してバッテリー残量をたっぷり残して現地入りすることにした。

 6段階の回生レベルセレクターの位置を強めに設定して電気を貯めるテクを使う。

 目的の川に着いた。白鳥はのんびりと羽を休めている。しかし相手は野生、こっちの思い通りにはなってはくれない。

 可愛らしい仕草はしてくれるが、まったく飛び立つ気配もない。さすがに秀吉みたいに「鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス」とつぶやきつつ石を投げて白鳥を飛ばすわけにもいかないので、別の場所に移動する。

 広い河川敷へのアプローチはダートで思わず血が騒いでアクセルを踏み込みそうになるが、そこはオイラも大人なので我慢である。

 このクルマはツインモーター方式の4WD。さらにランサーエボリューション仕込みのS-AWCという4輪のトルク配分を最適にし操縦性を高めるシステムが組み込まれているが、今回はそんなスピードでは走らないので性能を発揮させられないのはちょっと残念。

190mmの最低地上高とLOCKのできるツインモーター4WDによってオフロードも安心だ
190mmの最低地上高とLOCKのできるツインモーター4WDによってオフロードも安心だ

 だが子供の頭ぐらいの石がゴロゴロしている河原では最大トラクションを得られるようにドライブモードを「4WD LOCK」に切り替えた。これで抜群の走破性を生かしスタックの不安は皆無だ。

 さて、問題は被写体の白鳥である。

 が、いない!

 河原は静まり返っている。

 今度は家康公の気分で「鳴かぬなら鳴くまでまとうホトトギス」ばりに待ちである。

 PHEVの特技のひとつに「給電」がある。1500Wまでの家電が使えるのだ。

 電気ポットでお湯を沸かしまずはコーヒーブレークだ。ちょっとまだ肌寒いフィールドで暖かい飲み物は貴重だ。そしてパソコンを充電しながら朝一番で写した写真を保存しつつピントなどのチェックで時間をつぶす。

100V・1500WのAC電源があり、電気ポットでお湯を沸かしたり、パソコンに写真を取り込んだり駆動用バッテリーから自在に電気を取り出せる
100V・1500WのAC電源があり、電気ポットでお湯を沸かしたり、パソコンに写真を取り込んだり駆動用バッテリーから自在に電気を取り出せる

 そんなことをしていると遠くの方に4羽のシラサギが現れた。

 PHEVに乗り込みEV状態で鳥たちが警戒しない位置まで移動しよう。エンジン音がしない静粛性に優れたEVモードの利点を最大限に発揮できる時が来た。鳥たちに余計なストレスを与えないのが嬉しい。

 そのおかげでここでは素敵なシラサギの飛翔を捉えることができた。野生動物の写真・イコール・キラメキの切り取りだ。

 目の表情、羽の質感、水しぶき、などなど動画では見過ごしてしまったり、肉眼では追い切れない瞬間を捉えられる。これこそが写真の醍醐味だ。

 そういった意味では短い撮影ドライブだったがとても充実した春の一日を過ごせた。

EV走行モードなら野生動物を脅かすことなく近づいていけるから決定的写真を撮りやすい
EV走行モードなら野生動物を脅かすことなく近づいていけるから決定的写真を撮りやすい

 そろそろアウトランダーPHEVと我が家を目指して帰路に着くことにしよう。

 帰りは余った電気を使ってのモーター走行とシリーズハイブリッド走行(エンジンで発電しながらモーター走行)を組み合わせて高速道路のサービスエリアへ。

 備え付けの急速充電器で電気を、スタンドでガソリンを目一杯食わせた。これでまたPHEVならではの行動範囲がたっぷりと広がった!

 予定を変えて家に帰らずに野生のサルでも探しに山に向かっちゃおうかな!?

●三好秀昌(みよし ひであき)……東京都生まれ。1991年日本人で初めて英国国内ラリー選手権で2位に入賞。1995、1996年サファリラリーグループN優勝など数々の好成績を残すラリードライバー。日本大学芸術学部写真学科卒業のカメラマンでもある

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