トヨタが展開するMクラスミニバンのラインアップにはノア&ヴォクシーに加えて、より高級志向のエスクァイアが存在していたが、モデルチェンジのタイミングをきっかけに姿を消してしまった。エスクァイアはなぜ生き残ることができなかったのだろうか?
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】ラグジュアリー感が溢れるエスクァイアの内装よく見て!!(13枚)画像ギャラリーノア/ヴォクシーとは異なるキャラで堂々登場だったが
トヨタの人気ミニバンであるノア/ヴォクシー。その兄弟車として新たに2014年10月に追加されたのが、エスクァイアだった。
2014年1月に先行して登場していた80系ノア/ヴォクシーに遅れて満を持して追加されたエスクァイアだったが、残念ながらノア/ヴォクシーが90系へフルモデルチェンジを果たす一方でエスクァイアは1世代のみで姿を消すこととなってしまった。
言うまでもなくノア/ヴォクシーと共通のプラットフォームやパワートレインを持っていたエスクァイア。ただエスクァイアは上質感や高級感を持ったモデルとして開発されており、販売チャンネルもマークXなどを扱うトヨペット店とクラウンなどを扱うトヨタ店となっていた。
そのため、エクステリアには高級感のある大型フロントグリルをはじめとしたメッキやステンレスを用いたスタイルとなり、内装も合成皮革を用いた上質なものとなっていたのだ。
さらにノア/ヴォクシーに設定されていたエントリーモデルも用意されず、全車アルミホイールを標準装備。その一方でエアロ仕様も用意されず、全車5ナンバーサイズとなっていたのもエスクァイアならではのポイントだった。
高級志向が裏目に
このようにこだわりの詰まったエスクァイアだけに、車両価格はノア/ヴォクシーより高めとなっていたのだが、それこそがユーザーのハートをキャッチできなかった理由と言えるだろう。
というのもこのクラスのミニバンは実用車として購入されることがほとんどであるため、同じ機能、性能を持っているのであれば、1円でも安いことが正義と言えるからだ。
確かにこだわりのあるユーザーであればエスクァイアを選ぶケースもあるだろうが、ミニバンを購入する一般ユーザーの多くはそこまでこだわりを持たない層がほとんどというのが現実なのである。
また販売チャンネルが統合されて、全販売店ですべての車種を取り扱うようになったことで、3兄弟とするのはメリットが少ないと判断されたことも要因と言えるだろう。
そもそも高級なモデルが欲しいのであれば、アルファード/ヴェルファイアが存在しており、5ナンバーサイズの高級感のあるミニバンを欲していたのは一部のハイヤーやタクシー事業者だけだったようだ。
コメント
コメントの使い方「本当はアルファードが欲しいんだけど、大人の事情がいくつかあって買えないから『ヴォクシーより高級車っぽい』エスクァイアにした」
・・・という理由の人が多いと思ってたけど、違うの?
そもそも、グリルにメッキ部品をゴテゴテ貼りまくって所謂オラオラ顔にするのが高級感!って考え方がどうかと思う。