あれ? トヨタマークじゃないの? 専用エンブレムがカッコよかったクルマたち

あれ? トヨタマークじゃないの? 専用エンブレムがカッコよかったクルマたち

 現在ではクラウン・カローラ・センチュリーを除いた全車が、トヨタのCI(corporate identity)をフロントグリルに収めているが、過去にはエンブレムが多種多様に分かれていた。車種や取り扱いチャネルごとにエンブレムが変わっていて、それはそれでカッコよかったのだ。そこで、フロントグリルにトヨタマークを付けなかった、イケてるクルマたちを紹介していきたい。

文:佐々木 亘/画像:トヨタ

最近某芸人の愛車としても話題になった初代MR2。スーパーチャージャーが搭載されたAW11型はとくに名車と名高い
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七宝焼きで型式が分かるエンブレム

最近某芸人の愛車としても話題になった初代MR2。スーパーチャージャーが搭載されたAW11型はとくに名車と名高い
最近某芸人の愛車としても話題になった初代MR2。スーパーチャージャーが搭載されたAW11型はとくに名車と名高い

 トヨタの秀逸なエンブレムで真っ先に思いつくのが初代MR2だ。1984年に登場したMR2は、日本初の量産ミッドシップカーである。このクルマに付けられていたエンブレムは、力強さや敏捷性、優れた空力性能などを象徴する猛禽類がモチーフになっている。

 ティアドロップ型の逆三角形になったエンブレムには、羽を広げた鳥が描かれていた。背景は赤色のチェック柄だ。広げられた両足と前を見つめる鳥の頭を繋いでアルファベットの「A」を表し、3つの縦線で表された鳥の尾がアルファベットの「W」を表現している。

 これは初代MR2の型式「AW」を鳥でデザインしたものだ。材質も高価な七宝焼きで作られていたから、当時のエンブレムに懸ける情熱がどれほどのものだったかよくわかるだろう。

 ちなみに後継となったMR-Sも専用エンブレムが付けられていて、こちらはRを模した鷹が採用された。ただ、MR2のエンブレムと比べると、どこか味気なさが残る。

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グリフィン? いや羽の生えたライオンだ

二代目ソアラ。特徴的なエンブレムも長い歴史をもつこの車とともにある
二代目ソアラ。特徴的なエンブレムも長い歴史をもつこの車とともにある

 4世代にわたってソアラで使われたエンブレムもいいデザインだった。MR2同様に羽のある生き物なのだが、こちらはライオン。

 このエンブレムはグリフィンとも言われることがあるが、ソアラの開発主査である岡田稔弘氏によると、当時トヨタ自販がたまたま商標登録して持っていたのがライオンに羽を生やしたマークで、それをベースにデザインを練ったという。ソアラという車名は最上級グライダーの意味だから、空を飛ぶというのをエンブレム図案のテーマとして考えたというのだ。

 最初は空飛ぶ馬がモチーフだったらしいが、王道のペガサスマークはガソリンスタンドのモービルが使っていて、モービルとは違う意匠にしても馬に羽が生えていることは変わらずにボツ。紆余曲折を経て、ソアラに充てられた羽の生えたライオンにたどり着く。

 エンブレムひとつとっても、大変な苦労がある。ちなみにトヨタの「羽」系エンブレムは他にも、ハリアーのチュウヒなどが有名だ。

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青から赤に変わってカッコよさがアップ!

時代によってエンブレムを変化させてきたアイシス。どの時期のエンブムレムかを当てる楽しみもある 
時代によってエンブレムを変化させてきたアイシス。どの時期のエンブムレムかを当てる楽しみもある 

 最後に紹介するのは2004年から2017年まで活躍したアイシスだ。

 車名の由来になったイシス(エジプトの豊穣の神)から、エンブレムにはアルファベットの「i」が使われている。

 実はアイシスのエンブレムにはデザインが3種類あるのだ。発売当初は青地にiのエンブレムだったが、2009年9月の改良で背景色が赤に変わる。さらに2011年にはエンブレムが大きくなり、エンブレムを強調したフロントグリルへと変化した。

 ことさらにカッコいいのが、最終形態の赤地に大きなiのエンブレムだ。グリルに走る二本のメッキラインとエンブレムを縁取る逆三角形になった外枠のマッチングがイイ。シンプルながら迫力のあるエンブレムだ。

 他にも、エスティマ・ノア・ヴォクシー・エスクァイア・アリオン・プレミオ・マークXなど、トヨタには独自エンブレムを採用したクルマが多かった。筆者のお気に入りは、ネッツ店販売モデルで使われていたネッツのエンブレム。DNAのらせん形状がモチーフになっている洒落たものだった。

 エンブレムを共通CIにすることで統一感が生まれることは事実だが、クルマごとに異なる凝ったエンブレムを見るのもまた良いものだ。車種別エンブレムが、また復活しないかなと密かに願いつつ、優れたデザインのエンブレムに今宵も酔いしれたい。

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