現在マツダのSUVはCXシリーズに統一されているが、2000年前半にはフォードとの兄弟車が存在していたのを覚えているだろうか? しかも結構オリジナリティ満載でSUVブームの今なら結構人気が出た予感!?
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】ミニバンのような上質感があるトリビュートの内装が最高すぎる!!(10枚)画像ギャラリーマツダ車らしくスポーティさを重視
今では多くの人気クロスオーバーSUVモデルを擁するマツダだが、1980年代から1990年代に巻き起こった「RVブーム」のタイミングでは自社でラインナップしていたのはピックアップトラックをベースとしたプロシードマービー程度で、コンパクト~ミドルクラスの車種はスズキからエスクードのOEMモデルであるプロシードレバンテを販売していたほど。
そんな状況を打破するべく、当時の親会社であるフォードと共同開発をしてリリースしたのが、2000年11月に発売されたトリビュートというモデルだったのだ。
もともと当時のマツダは自社で新たなSUVモデルを開発しようと検討を進めていたが、当時の親会社であるフォードでも同クラスのSUVを開発していたということで、それなら共同で開発しようとなったのが事の始まり。
そんなきっかけもあったことでトリビュートには新規開発されたプラットフォームが与えられ、フォードからは兄弟車としてエスケープというモデルが登場することとなったのだ。
トリビュートは、高い車高を持ち悪路走破性も兼ね備えながらも、オンロードを中心に使用するユーザーをターゲットとしており、クロスオーバーSUVでありながら、マツダらしいスポーティなハンドリングを楽しむことができるようなセッティングがなされていた。
また室内は無骨なクロスカントリーモデルとは異なり、あくまで乗用車の延長線上のデザインとなっており、ステーションワゴン的に使うことができるように仕立てられていたのも特徴のひとつだった。
洒落っ気溢れるインパネも良し!!
ちなみに兄弟車関係となるフォード エスケープとは、プラットフォームが共通ということで全体的なボディサイズやフォルムは似通っているものの、実は外板はルーフパネル以外に共有する部分はなく、それぞれオリジナルのデザインを纏っている。
そして足回りのセッティングもマツダは前述したようにスポーティな味付けとなっているのに対し、エスケープはアメ車らしいゆったりとしたソフトな味付けとなっていて、両メーカーの考え方やキャラクターが色濃く反映されていたのだった。
一方のパワートレインは両車とも共通で、フォード製の直列4気筒2LとV型6気筒3Lの2種類を設定。のちに実施されたマイナーチェンジでは直列4気筒エンジンをマツダ製の2.3Lに置き換えされていた。
そんなトリビュート、最も安価な2LのFFモデルで179.8万円、4WDモデルでも199.8万円と、同世代のRAV4(2Lの5ドアモデル)よりも20万円以上安いスタート価格となっていたのだが、当時のマツダにクロスオーバーSUVのイメージが薄かったこともあったのか、人気車種になることは叶わなかったのだが、今見ると非常に魅力的な1台だったと言えるのではないだろうか。














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