もしも元号が変わることなく昭和が続いていたとしたら、2025年はちょうど昭和100年にあたるらしい。そこで、昭和から令和である2025年までに登場したクルマの中から、その走りに驚愕した10台を斎藤聡氏に選んでいただいた!!
※本稿は2025年4月のものです
文:斎藤 聡/写真:日産、ホンダ、スバル、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2025年5月26日号
R32GT-Rは特別!
乗るたびに緊張し全神経を集中しながら走っていたのが10位のFD3S型RX-7だった。
国産屈指のハンドリングカーで、操作に対する応答はとても正確だが、アソビが少なく超シビア。これほど振り回すのが難しいと思ったクルマはなかった。
それが280psとなった5型になって、足回りのセッティングが一転しなやかに。これによって抜群のコントロール性を手に入れた。セッティングの奥深さを知った一台だった。
9位は初代インテグラタイプR。このクルマはFFスポーツの完成形だと今でも思っている。自由自在に走らせることができるFFの面白さに衝撃を受けた一台だった。
8位はノートオーラNISMO。前後独立モーターのセッティングが作り出す操縦性の不思議。モーター出力でいったら前側モーターのほうが出力は大きいのに、駆動トルク配分50対50を思わせるセッティングから20対80の後輪寄り4WDを思わせる操縦性を持つ。モーター4WDの奥深さに驚かされた。
7位はTE27レビン。じゃじゃ馬と評された暴れん坊の1.6L・FRスポーツ。シャシー性能が……とも言えなくもないが、力でねじ伏せるFRドライブの面白さを知った一台。
6位はR35GT-R。この時代によくぞこんな世界レベルのモンスターを作ったものだと唯々感動した。
5位は初代ロードスター。明らかに作り手が走らせ方をイメージして作っている。ライトウェイトスポーツはこうあるべきというスポーツカーに対する深い知見と洞察に感動した一台。
4位はランサーエボリューションX。クルマとしての完成度はエボIX・MRだと思うが、4WD制御は圧倒的にこのクルマ。今でも世界一の制御だと思っている。
3位は初代インプレッサWRX STi。4WDの操縦性、ドライブテクニックの深さを教えられたクルマ。
2位はNSX-R。国産初のスーパーカー。Rはクルマから無駄な動きをいっさい取り払ったソリッドな操縦性を持ち、鋭く吹き上がる3L・VTECエンジンとともに作り出すパフォーマンスは感動的だった。
1位はR32GT-R。レースに勝つために作られた日産渾身の一台。市販車としての速さ、操縦性はもちろんのこと、600psオーバーのチューニングを楽々許容するエンジンのオーバークォリティぶりが、このクルマが特別であることを雄弁に物語っている。
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