同じプラットホームを採用し、同じBセグメントハッチバックというクラスに属するヤリスとアクア、ヤリスには複数のパワーユニットがあるが、ハイブリッドでは同じエンジンを搭載している。同じプラットホーム、同じエンジンとなるとあまり違いが無さそうに見えるが、乗ってみると大きくキャラクターが異なることが分かる。両車の違いについて紹介していこう。
文:西川 昇吾/画像:トヨタ
【画像ギャラリー】パっと見でも違いわかります? 意外にキャラクターが違うヤリスとアクア!(24枚)画像ギャラリー軽快なヤリスと安定感のアクア
実際に乗った印象としては、ヤリスの方が軽快感のあるハンドリングとなっていて、アクアの方が落ち着いてドシっと走ってくれる印象だ。ドライバーが運転して楽しいのがヤリス、長時間乗って疲れにくいのがアクアといった具合だ。
その違いはいくつかあるが、サスペンションセッティングとホイールベースの違いが大きい。特にアクアの上級グレードZではスウィングバルブショックアブソーバーが採用されていて、僅かな路面のギャップや車体の動きに対しても適切な減衰力を発生させている。
これにより上質でフラットな乗り心地を実現しているのだ。このメカニズムはレクサス譲りであり、乗り心地のいいコンパクトカーを探している人にはアクアのZグレードをオススメしたポイントでもある。
またホイールベースはヤリスが2550mmなのに対しアクアは2600mmと50mm長い。僅かな差と感じるかもしれないが、このクラスでの50mmは大きく、直進安定性がアクアの方が高いと感じさせる理由となっている。
実はバッテリーが違う
パワーユニットも実は両車で若干ではあるが異なっている。エンジンとモーターは同じであるが、バッテリーが違うのだ。
ヤリスはオーソドックスなリチウムイオンバッテリーを採用しているのに対して、アクアはバイポーラ型ニッケル水素バッテリーを採用している。
これによってバッテリー容量はヤリスの4.3Ahに対して、アクアは5.0Ahとなっているのだ。
またこの違いは乗り味にも出ていて、気になるほどの差ではないがアクアの方がスロットルに対するレスポンスが鋭い。車両重量の影響からか、燃費性能はヤリスの方が優れているが、ハイブリッドらしいモーターを主体としたシームレスのドライブフィールはアクアの方が体感しやすい。
ユーティリティはアクアに軍配
そして大きく異なるのがラゲッジスペースだ。荷室長で26mm、荷室幅で153mm、アクアの方が大きい。なお、デッキボード下段時の荷室高はヤリスの方が6mm高い。
なお、後席のレッグスペースはアクアの方が広く、人を乗せたり荷物を多く載せたりする機会が多い人はアクアの方が良いと感じるシーンが多いはずだ。
ただ、全長はヤリスが3950mmでアクアが4050mmとアクアの方が大きい。また視界もヤリスの方が良好で車両感覚を掴みやすい。この差と室内空間の広さをどうとらえるかは人によるだろう。
価格はどちらも上級グレードZの2WDでヤリスが249万6000円、アクアが256万5000円となっている。その差は6万9000円であるため、価格差はどちらを選択するかに大きな影響はあまり与えないはず。
同じプラットホーム、同じエンジンでも見比べて見ると、結構キャラクター違う両車となっているのだ。



























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