■「タフト」/ライバルの隙間を狙った本格四駆のDNAは受け継がれる?
●新型はどんなクルマ?
東京オートサロンで姿を現した「タフト コンセプト」は、2019年の東京モーターショーに軽クロスオーバーのコンセプトカーとして出展された「WakuWaku(ワクワク)」の市販車バージョンである。
軽クロスオーバーというと、まずフルモデルチェンジされたばかりのスズキ「ハスラー」と、ダイハツなら「キャスト アクティバ」が頭に浮かぶ。そのため『タフトはキャストアクティバの後継車なのか?』とも感じる。
この点について担当者に聞いてみたところ、「軽のSUVとクロスオーバーのキャラクターを本格的な順に並べるとスズキさんのジムニーが圧倒的で、ハスラーとキャストアクティバは同等と考えています。このことから『ジムニーとハスラー&キャストアクティバの間に位置するキャラクターの軽クロスオーバーに対する需要があるのではないか』というコンセプトで生まれたのがタフトです」とのことだった。
クルマ自体に関しては、タフトは現行タントから始まったDNGAコンセプトのプラットホームとパワートレーンを使うということなので、全体的に堅実な仕上がりとなるのは確実だ。また4WDも設定され、4WDシステムにはキャスト アクティバにも搭載されている滑りやすい下り坂でユックリとした車速を維持するダウンヒルアシストコントロール制御や、雪道や悪路でのトラクションを高めるグリップサポート制御も盛り込まれるだろう。
ルーフレールや大型グラスルーフを持つエクステリアとインテリアの雰囲気もクロスオーバーらしい楽しげなものとなっており、2020年年央(編注:6~9月頃か)の発売とハスラーとの対決が非常に楽しみだ。
●過去のタフトはどんなクルマ?
初代タフトは1974年に当時のトヨタ「ランドクルーザー」や三菱「ジープ」といった登録車のクロカン4WDと、ジムニーが該当する軽クロカン4WDの中間となる、登録車においてはコンパクトなクロカン4WDとして登場した(初期型のボディサイズは全長3220×全幅1460×全高1855mmと現代の軽自動車より小さいくらいだ)。
クルマの成り立ちは、ラダーフレーム構造のボディに四輪リーフリジッドサスペンション、トランスミッションは副変速機付の4速MTという悪路走破性を重視した本格的なものだった。
当初、1Lガソリンでスタートしたエンジンはのちに2.5Lディーゼル(終盤のモデルでは2.8Lに拡大)や、トヨタ製1.6Lガソリンも加わり、車重の軽さもあり動力性能はパワフルだったという。
1980年にはトヨタへ「ブリザード」の車名でのOEM供給も始まったが、初代タフトは1984年にフルモデルチェンジされた際に車名がラガーに変更され絶版となった。
初代タフトも空白期間が36年もあっただけに、初代ロッキー以上に車名が復活したことを驚きながら喜んでいることだろう。
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