なにを選べば間違いない!?　人気カテゴリーだけに迷っちゃうコンパクトSUV徹底チェック!!

やや割り高に感じる2車ではあるが……

　キックスもこの2車と同じく海外生産（タイ）の輸入車だが、そのわりにお買い得感が薄いのはハイブリッド車（e-POWER）で、しかも基本フル装備グレードのみだから。輸入車は見込み生産なので売れ筋車種しか用意できないツラさがある。

　しかし、価格を別にすればキックスは予想以上に魅力的だ。e-POWERにはじめて乗る人が驚くのは、極力エンジンの存在を感じさせないEVライクなドライバビリティだ。

　とりわけ、低速域での静粛性とそこからの力強い加速感は、トヨタのハイブリッド（THS）とかなり異なるフィーリング。アクセルを深く踏み込むと即エンジン音が高まりがちなTHSに対し、「静かで出足がいい」と評価するユーザーが多いのもうなずける。

　そういう意味では、レクサス LBXの弱点もそこ（THS）にある。

　プレミアムセグメントにふさわしいクオリティの内外装や、ヤリスクロスとはまったく別物の高剛性ボディがもたらす乗り心地・操安性。ソコには550万円という価格に見合った価値がある。

　ところが、唯一チープ感があるのがアクセルを踏むたびにゴーゴー唸るエンジン。燃費性能では文句のつけようがない1.5L・3気筒THSだが、高級車とマッチングするにはもうひと工夫が必要だ。

　とまぁ、ここまで各車それぞれの持ち味を述べてきたわけだが、オブザーバー参加で同行したカローラクロスに乗ってみると総合バランスの高さを感じた。でも街なかでの取り回しのよさなどコンパクトSUVの魅力は大きいよね。

●ホンダ WR-V Z　主要諸元
・車両価格：239万8000円
・WLTCモード燃費：16.2km/L
・全長×全幅×全高：4325×1790×1650mm
・ホイールベース：2650mm
・最低地上高：195mm
・最小回転半径：5.2m
・車両重量：1230kg
・エンジン：直列4気筒DOHC
・総排気量：1496cc
・最高出力：118ps/6600rpm
・最大トルク：14.5kgm/4300rpm
・モーター：―
・トランスミッション：CVT
・サスペンション（F/R）：ストラット/トーションビーム
・タイヤサイズ：215/55R17

●日産 キックス X-FOUR　主要諸元
・車両価格：334万6200円
・WLTCモード燃費：19.2km/L
・全長×全幅×全高：4290×1760×1605mm
・ホイールベース：2620mm
・最低地上高：170mm
・最小回転半径：5.1m
・車両重量：1480kg
・エンジン：直列3気筒DOHC
・総排気量：1198cc
・最高出力：82ps/6000rpm
・最大トルク：10.5kgm/4800rpm
・モーター：F＝136ps/28.6kgm　R＝68ps/10.2kgm
・トランスミッション：電気式無段変速機
・サスペンション（F/R）：ストラット/トーションビーム
・タイヤサイズ：205/55R17

●レクサス LBX ビスポークビルド　主要諸元
・車両価格：550万円
・WLTCモード燃費：27.7km/L
・全長×全幅×全高：4190×1825×1545mm
・ホイールベース：2580mm
・最低地上高：170mm
・最小回転半径：5.2m
・車両重量：1310kg
・エンジン：直列3気筒DOHC
・総排気量：1490cc
・最高出力：91ps/5500rpm
・最大トルク：12.2kgm/3800-4800rpm
・モーター：94ps/18.9kgm
・トランスミッション：電気式無段変速機
・サスペンション（F/R）：ストラット/トーションビーム
・タイヤサイズ：225/55R18

●スズキ フロンクス（2WD）主要諸元
・車両価格：254万1000円
・WLTCモード燃費：19.0km/L
・全長×全幅×全高：3995×1765×1550mm
・ホイールベース：2520mm
・最低地上高：170mm
・最小回転半径：4.8m
・車両重量：1070kg
・エンジン：直列4気筒DOHC
・総排気量：1460cc
・最高出力：101ps/6000rpm
・最大トルク：13.8kgm/4400rpm
・モーター：3.1ps/6.1kgm
・トランスミッション：6速AT
・サスペンション（F/R）：ストラット/トーションビーム
・タイヤサイズ：195/60R15