人気のコンパクトSUV。SUVもコンパクトも人気のカテゴリーなので頭数が豊富でよりどりみどり。はたしてどれを選べば間違いないのか? 数多あるコンパクトSUVの中から厳選した4車を比較しながら徹底チェックする!!
※本稿は2025年4月のものです
文:鈴木直也/写真:中里慎一郎、ホンダ、日産、レクサス、スズキ
初出:『ベストカー』2025年5月26日号
各車それぞれ個性派ぞろい
SUV人気は、今や一過性のブームではなく、定番カテゴリーとして定着したことを認識させる勢いだ。当然、人気カテゴリーには魅力的なニューモデルが積極的に投入され、さらに人気を盤石のものとする。
そんな人気のSUVのなかでも、「コンパクトSUV」と呼ばれるサイズのカテゴリーは手ごろなサイズと価格帯で、ますます注目度が高まっている。
どのサイズを「コンパクトSUV」とするのか? 明確な定義はないが、全長4500mmを超えるハリアーやエクストレイルは「ミッドサイズ」だろう。
カローラクロスは全長4490mmで、見た目のボリューム感もあり、コンパクトSUVと呼ぶにはちょっと大きい。
ヴェゼルは? 全長4340mmでミッドサイズと呼ぶには小さいけれど、コンパクトというにはちょっと大きい。全長4395mmのCX-30も同様だ。
一方で全長4300mmを切るキックスやCX-3などは明らかにコンパクトだ。
微妙なのは全長4325mmのホンダWR-Vだ。キックスあたりと比べるとプロポーション全体にボリューム感があるが、カローラクロスと同クラスとはならないサイズ感。搭載するエンジンも1.5Lで、2Lクラスのカローラクロスとは一線を画すカテゴリーだ。
ということで、今回は全長4400mm級をコンパクトSUVのボーダーライン、WR-VをコンパクトSUVの最大サイズとしてカテゴライズした。
全長4mを切るフロンクス、プラットフォームをヤリスクロスと共用しながらレクサスクォリティに仕上げたLBX、そしてキックスなど、人気のコンパクトSUVをユーティリティや走りの性能、さらにはコストパフォーマンスなど、多角的な視点から解剖することにしよう。
較べてわかる意外な性能差
今回テストしたコンパクトSUV、コスパ重視ならフロンクスとWR-Vをおススメしたい。
共通の特徴はともにインド生産の「輸入車」ってこと。クオリティを落とさず250万円前後のお手頃価格を実現するには、もはやこれしか手がないのだ。
フロンクスは“地元”インド市場ではプレミアムクラスだけに、内外装ともに「お値段以上」の高級感がある。クーペSUV風のスタイリッシュなデザインはコンパクトSUVの中で際立っているし、ゴージャス系の加飾が華やかなインテリアもわかりやすい高級志向に好感が持てる。
対するWR-Vは、ゴツゴツしたラギッド系デザインと大柄なサイズが持ち味。インド生産だが開発はタイで行われており、アジア新興国全体を見据えたサイズ感とパッケージングでまとめられている。
ただ、フロンクスと比べると内装のチープ感が拭えない。ヴェゼルとの棲み分けというホンダの社内事情かもしれないが、できればインテリアをシンプルモダン系でまとめれば、外装デザインとマッチした「使い倒す道具」の魅力がアピールできたように思える。
エンジンはともに1.5L直4で、フロンクスが101ps、WR-Vが118psというスペックだが、ここでもフロンクスの頑張りが目立つ。
WR-Vは純ガソリン車だが、フロンクスはスタータージェネレータ装備のマイルドハイブリッド。加速時にアシストを感じるレベルではないが、回生発電で燃費に貢献しているのは確実だ。
また、平均より200kgほど軽い車重にまとめた技術も大したもので、馬力以上の俊敏なドライバビリティと優れた燃費性能が味わえる。
コメント
コメントの使い方CX-3が見た目も足もかなり良い車なので、入れて欲しかったです。特に足は3やCX-5よりずっと良いと思います。
ヤリスクロスを出さなかったのは、内容に対する価格でも室内空間でも、圧倒的な燃費でも
独り勝ちになってしまうから?でもLBXやカロクロは明らかに場違いでしょう。