あんまり減りすぎてもダメだし、多すぎてもダメな自動車のタイヤの空気圧。そもそも空気圧って、どう決められているのか知らない読者も多いだろう。メーカーの指定空気圧から、大きく変更してはいけないワケとともに紹介していきたい。
文・写真/ベストカーWeb編集部
自動車メーカーがもの凄く考えて決めている指定空気圧
そもそも指定空気圧とはどう決定されるのか? これについて、以前スバルに取材した際に担当者は以下のように答えてくれた。
「タイヤの空気圧は自動車の運動性能(走る、曲がる、停まる)に大きく影響する重要なポイントです。自動車メーカーでは、自動車の重量、サスペンション特性、ブレーキ、振動や騒音、摩耗などの耐久性といったさまざまな要素、そして路面の状況(ドライ/ウェット、気温など)や、自動車の性格(荷物を多く積むかなど)を総合的に考慮して、その自動車毎に最適な空気圧を設定しています」
このクルマの前のモデルがこの数値だったからや、大体このくらいの数値でいいんじゃない? という大雑把な決め方ではない。その数字にはきちんと意味があるのだ。
タイヤメーカーの見解も同様で、メーカー指定値は下限値ではなく、その車両に装着された場合に、タイヤが適切な仕事をする基準の数値になるとしている。
タイヤの空気圧の基準は0~+20kPaの範囲内
とはいえ、「空気圧を低くしたほうが、タイヤがよりたわんで乗り心地がよくなる」や、「空気圧を高めにして燃費を稼ぎたい」というユーザーもいるだろう。しかし、基本的にタイヤの空気圧は、自然漏れによる空気圧低下を考慮しても、指定空気圧に対して0~+20kPaの範囲内が推奨されている。
乗り心地をよくしたいからと安易に空気圧を減らすことは、自動車メーカー、タイヤメーカーともに推奨していない。空気圧が指定より低い場合、タイヤの偏摩耗(いわゆる片減り)がおきタイヤ寿命を縮めてしまうし、高速走行時に発熱が増えタイヤ損傷につながる。また、梅雨以降の雨の多い時期は、ハイドロプレーニングが起こりやすくなり危険だ。
サーキット走行するユーザーのなかには、温間時に狙った空気圧にするため、かなり低めに空気圧を設定するケースはあるが、それは非常にまれなケースなので、一般道で走る際はマネしないでいただきたい。
安全にドライブを楽しむために、空気圧は月に1回は確認してもらいたい。空気圧計を持っていない場合や、作業に不安があるという人は、ガソリンスタンドやディーラー、整備工場で確認&充填を依頼してもらいたい。
コメント
コメントの使い方走行中に空気がしている仕事の種類と量は物凄い。ぜひ調べて知って欲しいです。
そして、記事ほどに空気圧が重要という事は、それはそのまま「純正から変化させたら変える必要がある」ということです。
車重の増減や、整流じゃなくダウンフォース目的のパーツ付けた場合、走る場所・環境によって等々、変更しなければならない数値です。
幸運にも自分で試せて変化も分かりやすいので、事あるごとに増減させ最適を探しましょう。